第381号(1991年11月1日号)


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第三の電波を獲得せよ 水面下で火花散る

 長年の懸案であった沖縄のテレビ多局化の動きが水面下で活発化してきた。西銘順治・前知事と(株)白石グループを主体にする南西放送は、二年前にすでに会社を発足させ、東京の日本テレビをネットする事で対日本テレビ交渉、対郵政省交渉を活発化する動きにある。

 一方、日本テレビ=読売新聞グループとは対抗関係にあるテレビ朝日=朝日新間グループも各界への働きかけを強めている。テレビ朝日の場合、沖縄へのネットテレビ局の設立は「採算を度外視する」と明言しており、石川県や熊本、長崎のように三局目、四局目を日本テレビと争う構えだ。他府県のケースを見る限り、三局目開局から二〜三年後には郵政当局は四局目を認可している。

 問題点は、しかしニつある。一つは地元側。県や経済界の動きだろう。経済団体や銀行、有力経済人らが日本テレビ・テレビ朝日のいずれに、どう分かれるかだ。南西放送の設立発起人会には琉銀、沖銀を始め金秀グループ、農協中央会など國場系を除くほとんどの経済人が顔を揃えた。呼びかけたのは白石武治氏と西銘前知事の側近・川上元参事監である。

 一方、テレビ朝日に近いのは金城キクグループの金城直樹氏である。どのように経済界が取り組むのかは未知数だが、メディアの主力はいまや新聞からテレビに完全に移りつつあり、CATV(OCN)に力を入れている國場グルーブも情報収集に躍起になっている。南西放送は西銘グループのメディア戦略の拠点になると見られ、来年以降の各選挙を考え合わせると、いわば「西銘城」になりそうだ。ならばテレビ朝目系の新局、仮に「沖縄朝日放送」は反西銘派の拠点といえるかも知れない。

 新しいテレビ局はいくらぐらいの費用でできるのか…。

 新しい局舎をつくらずに、久茂地周辺のビルの三フロアー程度を借りた場合、二十億円前後と見積もられる。もちろん電波塔も既存のものに相乗りであるが…。この二十億円はメディアを掌中に押さえるという点でみれば安い買い物だろう。もちろん全額地元負担ではなく、半分は東京のテレビキー局(日本テレビかテレビ朝日)、新開社(読売か朝日)、それにそれぞれのグループに持ってもらう。

 そうすれば地元で必要なのは十億円強である。仮に地元十社が結束してグループをつくれば、一社当たり一億円でよい。そのまとめ役、リーダーがいま求められているのである。

 もう一つの問題は先島問題だ。郵政省側は平成五年をメドに沖縄本島=宮古間に海底ケーブルを敷き、テレビの同時放送を始める計画だが、NHKと共に地元民放局はこの費用を負担しなければならない。この費用は沖縄テレビと琉球放送で二等分するより、三局、いや四局で分けた方が安くつく。三分の一、四分の一になるのだ。

 問題の海底ケーブルのメドはついたが、宮古・八重山の中継テレビ塔の予算化がまだできていない。これは本年末の予算折衡を見なければならないが、両局は国に対して多額の補助をすでに要請しており、デリケートな状態のいまは年末の予算決着を待っている状態だ。平成四年度に予算のメドがつけば、五年度も当然の措置がつくものと考えられるため、いまのところ、年末予算の行方が関係者の注目を集めている。これらニつの問題が解決すれば三局目の開局は急展開を見せるであろう。

 RBC、OTV共に売上は五十億円を越し、六十億円を狙えるまでに育っている。三局目開局を先送りする理由であった「(競争が激化して健全な放送ができなくなるため)復帰後、まだ体力がついていない…」という地元民放側の理屈はもはや通用しない。その証拠にこの秋、北陸朝日放送ができた四局地区の石川県も、長崎県も人口は百二十万人前後。マーケットシェアは沖縄とどっこいどっこいである。沖縄の場合、夏場の観光需要や国際化の進む現状では四局地区になる資格は十分である。

 繰り返すが、テレビ朝日は地元がどう出ようと、売上がどうであっでも沖縄に置局するという。自然、台風、基地、文化、平和、水産野球、リゾート、南の玄開口…、いくらでもネタはある。かえって怠慢なのは地元経済人なのかも知れない。


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沖縄本島に二つのゴルフ場開く

 沖縄本島に二つのゴルフ場が十一月にオープンする。北部の嵐山ゴルフコースと那覇市郊外のパームヒルズコースだ。ゴルフ場不足の沖縄にとって観光とも関連して大いに歓迎されている。

■自然とマッチして 嵐山

 株式会社西洋環境開発が進めていた「嵐山ゴルフ倶楽部」が完成十月二十四日、現地でオープニングレセプションが開かれた。同ゴルフ場は今帰仁村と名護市の両方にまたがるゴルフ場で、面積百三十五万平方メートル、十八ホール、六九三○ヤード、パー七二の規模である。約百十億円をかけた。

 クラブハウスは地下一階、地上一階でレストラン(八十席)、ロッカールーム(男性一九二、女性四八)コンペルーム三、特別室、大浴場(男女ともにサウナ、ジェットバスつき)。那覇から自動車道を使って一時間の距離。

 コースの特徴は丘陵という地形的特徴と沖縄特有の植生をいかした明るいダイナミズムあふれ、ハイビスカス、ブーゲンビレア、相思樹、南洋杉など独特の樹木がコースをいろどる。セゾングループはオリオンビールと共同で「ホテル西武オリオン」を経営しているほか「リウボウ」と提携関係にあり、このゴルフ場を開業するにあたっても両者の協力を得た。コンピュータでデータを処理するほか、県内初の五人乗りカートを導入、携 帯電話もそなえている。クラプハウスのレストランは西武オリオンが運営する。十一月三日開業する。嵐山ゴルフクラブは電話0980(58)19l0、西洋環境開発沖縄事業所は098(868)5454。

■日本一の豪華さ パームヒルズ

 那覇市郊外に建設中のパームヒルズゴルフリゾートが完成し、十一月八日にオープニングセレモニーを行い、十三日から営業を始める。糸満市新垣のゴルフ場は那覇市からわずか三十分ほど。近くに那覇カントリーや南山カントリーがある。

 那覇市に最も近い本格的なゴルフコースで、とりわけクラブハウスは県内はもちろん、全国的にも水準が高いという評判だ。至るところに大理石を使い、飲食施般や浴場、休憩室、コンペルーム、ショッピングなど豪華さを誇る。二百億円近くかけたというだけあって、VIP専用の檜ぶろや応接室など質の高いゴルフクラブの誕生となった。

 十八ホール、パー七六、六五○○ヤードのチャンピオンコース。第三次会員募集もはじめている。問い合わせは電話098(994)0002。

■プロも舌を巻く施設

《解脱》 沖縄のゴルフ場不足が叫ばれて久しい。とくに旅行業界は「ゴルフ場さえ確保できれば、観光客はいくらでも誘致できる」という声は強い。

 沖縄のゴルフの利点は冬場にプレイできる点にある。本土各地が雪で覆われているとき、沖縄は軽装でゴルフが楽しめる。なにしろ、冬場でも最低気温が十度を割ることは滅多にない。芝も青々としている。プレイ料金も安い。これらの好条件が知れわたり、このところ本土からの人気が高い。旅行社のなかには「予約してくれと頼まれて予約をいれるが取れなくて困っている。冬の沖縄観光はゴルフで売り出すべきだ」と強調する人が多い。

 ホテルにも予約を頼んでくる人が多く、こちらもゴルフで頭をいためる。そこでゴルフ場建設ブームが起こる。沖縄だけでなく全国的にゴルフブームだから問題も起こるわけだ。こんな時に沖縄で本格的なゴルフ場がオープンすることは、歓迎されている。あるゴルフ間係者は「これまで需要とバランスが崩れ、需要が極めて強い。新しいゴルフ場のオープンは混雑を緩和するのではないか」という。しかし、こと観光関係にしぼると、すべてが解決するとはいえない。

 いま需要は供給の二倍はあると推定されるから、まだまだ不足というのが実情だ。そのうえ、ゴルフ場は会員制である。観光客に限って言えば、自由にプレイできるとはいえない。会員が優先されるから制約がある。

 観光客だからと無制限にプレイできる訳ではない。しかし、ゴルフ場が二ヵ所も新設されたことは、たとえ会員制とはいえ、いくらかの緩和になることは間違いない。現在でも県内の会員は「観光客のため」と、三回のところを二回に我慢するなど、協力をしているからだ。会員が同伴すればプレイできるので、この点からはプラスとなる。

 最近のゴルフ場の傾向は施設が豪華になっていることだ。とくにパームヒルズゴルフリゾートは超豪華と言っていい。クラブハウスはいたる所に大理石を使い、豪華ホテルにもない設備を誇る。無論、宿泊機能を発揮するホテルとは根本的に違うが、雰囲気や植栽などはホテルがおよばないところがある。ある本土のゴルフ開係者が見学してその豪華さに驚き「まさに日本一」と絶賛した。日本広しといえどもこんな豪華なのはないというのである。

 観光関係者のなかには「観光客専用のゴルフ場をつくったらどうか」という声もある。会員制だとどうしても自由に使えないから、観光客を増やすための手段としでゴルフ場を考えてはどうかというのである。あたかもホテルが、観光客専門にスタートしたのと同じ構想である。また公共のゴルフ場構想もある。多額の会員券を購入しないとプレイできないというのではなく、だれでも自由に使える公共的なゴルフ場というのだ。県企業局が構想をねっているが実現までには曲折があろう。(渡久地政夫)


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かりゆしグループ平良社長囲み懇談会

 かりゆしグループの社員研修旅行が十月二、四、八日の三回に分けで宮古島で開催された。グループの全従業員四百人が参加して行われたもので、宮古商工会議所の青年部は平良朝敬・社長を囲んでの懇談会を開き、宮古島のリゾート関発への提言を聞くなど活発な意見が交換された。

 懇談会では、県内最大の客室を設け、順調な集客に結び付けているノウハウへの質問が集中し、人手不足や地域とのつながりについても平良社長の意見を聞いた。平良社長はまず、宮古島のリゾート開発についてヽ「東京直行便を誘致した住民パワー、宮古トライアスロン大会での住民のホスピタリティーを持っですれぱ、地元住民がイニシアチブをとってリゾート開発ができるはずであり、そのようにすべきだ」と前置きし、懇談に移った。主なやりとりは次の通りである。

■住民パワーを活かせ

―従業員の平均年齢が二十代前半と非常に若いが、従業員確保にはどのような方法をとっているのか。

 《平良》毎年県内から高卒、専門学校卒、大卒の社員をとっている。十五人づつのグルーブで夢を売る仕事であることを研修していく。ゴールデンウィークの前までにホテルマンとしての常識的なことを教え、このときの社内研修ではダイビングもとり入れている。七〜九月は忙しいが、十月には社員会貝で研修旅行を行い、意思の疎通を図っている。ホテルの従業員はお客様から怒られながら成長していくという面が強いので現場を重視している。マニュアルもあるにはあるが、それほど重視していない。社員が自分の気持ちを出せるような教育をしており、仕事の楽しさを早く分かることが大切、という方針だ。

―沖縄のリゾートの将来性についてどう考えるか。

 《平良》沖縄ほど海洋レジャーのノウハウが進んだ所は外にはない。大学時代に湘南の海にいこうということで仲間といったら、これは海じゃないと思った。『平良君、泳がないのか』といわれて『こんな海じゃ泳がない』といって海に入らなかったことがある。その夏に、『ホントの海を見せる』と仲間を違れて沖縄のムーンビーチやインブビーチを見せたらものすごく感激している。その後世界中の海を見だが、沖縄に勝るところはない。大学を終え、沖縄に帰ってきて最初にしたのは西海岸のドライブインを買って那覇の客を海で遊ばせるビーチバスの運行だった。このとき、海でお客を遊ばせるノウハウが蓄積されて、かりゆしビーチリゾートの建設につながっている。沖縄のように午前中ゴルフを楽しみ、午後にパラセールに挑戦したり、それから水上スキーができる、というリゾートは他にはない。例えばハワイでは、ダイビングをしようとしたら、手続きをして、ポイントに車でいって…、という具合に一日中かかる。現在の沖縄のマリンレジャーのノウハウは世界で最も進んでいるといって良い。

―沖縄の文化をホテル経営に反映させているのか。

 《平良》宴会などで、遊びで琉球舞踊の認定証などは出している。かりゆしでの宴会では、琉球舞踊を教えている。料理でも琉球料理の中からラフテーや、ミミガーなどを取り入れているが、さらに研究を深める余地があると思っている。沖縄の焼き物も使いたいのだが、割れたり重かったりするので実用的ではない。やはり、芸術作品と実用品とに分けるべきではないかと思う。

―地元との密着という点で工夫していることがあるか。

 《平良》例えば、地元の食材を使っている。ほとんどのホテルが進出する際に地元の産物を使うと約束して立地するが、形が揃わない、安定供給ができないなどの点でご破算にしているはずだ。実際には、出荷の計画さえしっかりしていれば形が揃わなくてもいくらでも使える。素材を提供する地元側にも、素材を使うホテル側にもそれなりの努力が必要だと思う。もうひとつは、かりゆしビーチを開発する際、ホテル施設の一〇%は県民に還元しようという考えがあり、これを実行に移してきた。一〇%の還元とは、客室の一〇%を地元客のために常にブロックしている。なおかつ、シーズン中エージェントに渡す料金が一泊二万二千円なのに対し、地元客には格安で提供している。恩納村のホテルは世界的にもトップクラスにあり、県民は何も外国のリゾートに高い航空運賃を出していくことはない。地元のリゾートを楽しむという生活パターンが出でくるはずであり、このとき格安料金で地元の方に利用して貰うことは地元のリゾートの使命だと思っている。これが一〇%の還元の考え方で、ウィングタワーのオープン以来一貫している。オーシャンタワーの完成で、地元客にますます便利になった。

―宮古地域にもさまざまなリゾート計画があるが、今の話のようなことを率先してやってくれるような運営者が欲しいところだ。宮古のリゾート開発についてアドバイスして欲しい。

 《平良》進出してくる企業に対し、地元がイニシアチブをとって条件を付けるべきだろう。このことが地元がイニシアチブをとるという具体的な方法であり、地元の産物を使うというような約束は、ツブがそろわないとなると簡単に反故にされる。そして、地元から逃げない人間を運営に当たらせるといいホテルができる。そうでないと単なる投機に終わってしまう。これだけの住民パワーのある地域であり、有能な人を盛り立てていく体制をとれば、国内有数のリゾート地になれるはずだ。


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