第387号(1992年2月15日号)


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NHKがホテルを狙い撃ち 受信料を支払え

 受信料の未納に悩むNHK沖縄放送局では、大口の受信者である県内のホテルに的を絞り、契約に乗り出した。放送法放送受信規約によると放送法第三十二条に「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなけれぱならない。以下略」としており、ホテルもこの条項にあてはめ、契約を進めている。

 NHKの担当者によると、ホテルの場合はテレビを設置してある台数ごとに受信契約をすることになっており、例えば五百室の客室をもつホテルでは各部屋に一台づつテレビを設置しているので五百台分の受信料を徴収するという。受信料はカラー一台あたり月額一千三百七十円だから六十八万五千円の受信料となる。同様に民宿でもペンションでも台数分を納めなければならない、という。

 沖縄では民間テレビが先に発足してテレビは無料という考えが定着しているため受信料の納入成積が低くNHKでは契約に全力をいれている。

 一般家庭のテレビ受信契約はスムースにはかどらないため大口のホテルを狙い撃ちに契約をするよう的を絞っている。

 受信料を免除されるのは義務教育である小中学校だけで、高校以上は契約しない契約しないといけない。また病院など人が多数集まるところも台数ごとに契約の対象になる。一般家庭では世帯毎に契約となるのでたとえ一家に二台あっても一台の契約になる。なお沖縄のカラー契約は本土と違い一ヵ月一千二百二十円となっている。

 NHKではホテルの場合は見直し期間、割り引きなどで相談するなど柔軟に対応するといっている。


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TV3、4局認可近し メディアの暗闘

 OTV、RBCに次ぐ第三の民放TV局開設の動向が注目されている沖縄地区に三局、四局を同時に開局する方向を郵政省が固め、今月中に開かれる電波監理審議会で正式に諮問、近く認可される模様だ。

 郵政省は今月開かれる電波監理審議会に沖縄地区の多局化問題を諮問。審議会は六月ころまでに三、四局の電波割当を同時に認可する方針だ。認可される局は日本テレビ・読売新聞系のTV局とテレビ朝日・朝日新聞系のTV局で、日本テレビグループはすでに開局に向けて動き出している。沖縄側の受け入れは西銘順治・前沖縄県知事を中心に、白石グループがすでに南西放送を設立して情報収集などで動いているが、最近になって金費でグループの比重が高まり、社長に呉屋秀信氏が、西銘氏は会長または名誉会長に就任する見方が強まった。

 一方、テレビ朝日・朝日新間グループには夏の甲子園を独占する大阪朝日放送、西日本最有力の福岡朝目放送が加わっでおりヽその受け入れには、朝日新間と親しい沖縄タイムスの新川明氏が中心になって具体的な取り組みを図っている。

 テレビ朝日グル−プに関しては、地元経済界のどの企業グループが受け皿にまわるかはまだはっきりしない。というのも、これら新局開設の動きは現在のところ東京先行となっており、地元との調整は認可後、本格化するとみられるからである。六月中に三、四局が認可されれば、今後のスケジュールは(1)平成四年度中に開局に向けた競願申請の調整が進み(2)平成五年には申請を二本化し(3)夏にかけで仮免許が出る模様(4)放送開始は二局同時に平成六年春になる見込みだ。

 競願申請の調整、二本化とは、TV局開局の場合、申請者が数百人に上るのが普通で、例えぱ宮崎県の場合、三局目だけの割当に対して約百社の競願申請があり、いわばダミーなどを振り払ってこれを一本化する調整が通常行われ、これのことをいう。しかし、大分や宮崎の場合、東京のキー局が開局に熱心ではなく、競願申請の調整は放置されたまま進展していない。

 沖縄については日本テレビ、テレビ朝日とも最重点地域と位置づけており、郵政サイドも平成六年四月に予定している先島への民放サービス開始と同時に三、四局の放送開始を実現したい考えだ。先島への海底ケーブルの運用費が年間一億円前後となり、これを現在の二社で負担するより、四社の方が負担が軽減できるという配慮もあるほか、これによって、郵政省の基本方針である平成六年までの全国地上局の三局または四局体制、が完成することにもなるからだ。

 消息筋によると、今回の電波割当については昨年の夏に郵政サイドから日本テレビ、テレビ朝日に打診があり、昨年末の先島での民放放映の予算決定を待っての割当という形だ。

 東京のキー局側が先行して遅れをとった形の地元経済界だが、日本テレビ系が西銘・前知事のグループで固まるとすると、テレビ朝日系は西銘グループ以外の勢力が占めることになりそうだ。その場合、テレビ朝日に強い営業をかけている金城キクグループやOCNを経営する國場グループ、琉石グループ、大城組グループなど県内企業グルーブの出方が注目される。

 経済界の動きに加え、県内報道機関もニュース報道、営業面で競争が激化するのは必至で、沖縄タイムス、琉球新報の動きも見逃せない。特にタイムスの関連会社の琉球放送がTBS・毎日新聞系であることから、何らかの調整が入ることも考えられ、琉球新報はタイムスの動きに対抗せざるを得ない場面も予想される。琉球新報は経営不振の地元ラジオ局ROKを買収する方針を固めたといわれ、これとTV局をリンクさせる工作に入るものと見られる。

 一方、迎え討つ側の地元TV局は、CMスポンサーを分け合って収入減となることが明白で、シェイプアップを図るために勧奨退職の動きもすでに出始めているという。

 また、那覇市内を中心に業績を伸ばしている有線TVのOCN、先島の宮古ケーブルテレビ、石垣ケーブルテレビは視聴率を落とすことも考えられ、調整が入りそうだ。


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連載コラム・観光時評 クジラは観光資源

 今から三十年も前のことだから昔話だ。平和祈念像を製作中の山田真山画伯のアトリエによくお訪ねしたが、画伯はその度に祈念像の話をして最後にはきまってこう言っていた。

 沖縄は日本本土にはない自然がある。それだけではない。沖縄の工芸品は本土では絶対につくれないものばかりだ。紅型、陶器、漆器、織物などだ。ただわれわれ沖縄人は考えることが小さい。もっとスケールの大きいことをやらないといけない。那覇とけらまの間の海にくじらを泳がせて観光客に見せたらいい。平和祈念像も世界一の規模でやらないと相手にされない。

 そのころ、やつと観光客が沖縄にやってきて、観光の振興が叫ばれ始めていたのである。当時、私は観光に関心がなかった。けらまの海にくじらを泳がせで観光客に見せるという話しにも「ホラもここまでくればホラではなくなる」と内心笑っていた。

 ところがどうだろう。三十年後の今日、たしかにけらま近海でくじらが泳ぎまわり、観光客が「ホエールウォッチング」といってくじら見物にきているではないか。山田画伯の夢が見事に実現したことになる。ただし、画伯はくじらを生け捕りにしてもってきて養殖するといっていたが、今度のくじらは本物である。

 くじらを見物させるのはフロリダにもある。ハワイでもラハイナの沖には毎年くじらが子供を生みにくる。そのくじらを見物させる観光コースもあると言っていた。日本では例のジョン万次郎が捕鯨船に救助されてアメリカに渡ったということだから、昔は日本近海にもくじらがたくさんいたに違いない。事実、小笠原諸島ではよく見かけるという。テレビで見るくじらは豪快そのもので、迫力満点である。船で沖合を走っていてトビウオがピョン、ピョン飛ぶと自然はすごいな、と思う。トビウオくらいでそう思うのだからくじらだったらきっと感激するだろう。

 修学旅行でホエールウォッチングしたという新間記事をみて、沖縄の海はなんと資源豊富なところかと改めて感心する。これまではダイビングやトローリングが素晴らしいという話しを聞いていたが、くじらまで見物できるとはすごいものである。小笠原諸島は東京からのアクセスが不便だが、けらまはそんなことはない。

 沖縄の冬はゴルフが有名だが、くじら見物が加わるとまた一つ魅力が増えることになる。修学旅行には絶好の素材だ。自然保護という掛け声もあるし、北海道の熊よりははるかに迫力がある。子供たちにも勉強になる。

 くじらが確実に出てくるということならいいが、折角、船で出かけてくじらが来ないとがっかりである。問題といえばこれくらいで、あとは観光資源として百点満点の魅力がある。くじらの里宣言をした座間味村だが、くじらを大事にしてほしい。これまた三十年くらい前、名護湾に「いるか」がよくきた。いるか狩りをした。そのせいか、いるかは来なくなった。もし、いま来たら手厚く保護して観光資源にできるだろうと思う。(渡久地政夫)


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