第402号(1992年10月15日号)


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県民の志向は「安・楽・良」 3つの企画がヒット

 不景気風が吹き荒れる中、三つの商品がヒットしている。沖縄ツーリストが発売した十三万八千円の格安ハワイツアーと琉球の風のロケ地である読谷村のスタジオパーク。それに大相撲沖縄場所だ。このヒット、消費者が「安くて、楽しくて、いいもの」を求めていることを教えているようだ。

 ■格安ハワイ

 沖縄ツーリスト(東良恒社長)は十月からノースウェスト航空が那覇=グアム=ホノルル線の就航を始めたのを機会に、特別料金のハワイを発売した。ハワイ六日間で添乗員つき十三万八千円。普通、この旅行なら二十万円はするという。就航記念と沖縄ツーリスト創立三十四周年記念と銘うったこの企画は大当たり。発売と出発日がほぼ同時だったが申し込みが殺到、七月中のあと二本も満杯状態という。同社では最近 のツアーが高額商品か格安商品かの二つが売れていることに注目、格安のハワイ旅行を企画したという。

 前仲部長は「東京でも安いハワイを売っているがこちらは添乗員つき、延泊もできます、お買い得です」と、お勧めハワイをPRしている。

 ■スタジオパーク

 十月一日開園してから読谷村の大河ドラマロケ地、スタジオパークはどっと見学者が詰め掛け大にぎわい。十一日までに約二万五千人が訪れたという。

 同社の田中室長は「建物がいつでも住めるように本格建築であること、いわゆる本物志向にマッチしたこと、琉球の風のロケという話題性、さらに首里城の復元という三つが複合効果となっていると思う。特に地元の方が多いのが目立つ。地元に支えられています。ありがたいことです」と語る。地元の人たちが古い沖縄の歴史、伝統文化を求めていた背景もある。

 さらに見逃せないのは旅行エージェントの動きだ。すでに大手旅行代理店はすべて送客協定を結んでいるが、そのほかの旅行社もあわせるとざっと四十社以上という。だいたい旅行エージェントは開業して一、二年して中身をよく吟味してから協定に踏み切るが、スタジオパークの場合はオープン前から協定の話が舞い込み、同社を驚かせた。今後は催しや企画を次々に打ち出して常に新群な話題を提供したいという。旅 行エージェントは大体四十五分ほどを滞在時間にしているが、じっくりみると二、三時間はかかるという。なお、同パークでは沖縄そばを四百円て販売している。

 ■大相撲沖縄場所

 沖縄テレビ、フジテレビが主催している「大相撲沖縄場所」は発表と同時に発売された入場券が一日で売り切れ。若貴人気を頂点に巻き起こっている相撲フィーバーが爆発した格好だ。

 もともと大相撲沖縄場所は復帰二十周年に何かよい企画をとチエをしぼつていた日本航空が相撲人気に注目、実現に動き出した。ところがやはりマスメディアが一役かまないと実現は難しいとあって、日本航空は特別協賛にまわり、テレビ局が主催にまわったいきさつがある。沖縄場所発表と同時に入場券を発売したが沖縄テレビをはじめプレイガイドなど発売窓口にはファンが殺到、たちまち完売した。ます席四万八千円も飛ぶように売れ、相撲人気の前には不景気もどこ吹く風だ。

 してやったりと失いが止まらないのはテレビ局だ。沖縄テレビの受付窓口の女性担当者もこころなしか口調も明るく「えっ、いまごろ入場券とは…、遅れてるー」といった感じだ。若貴人気に目をつけた企画の大勝利だが、普通はこの種の催しはあたるか、どうか主催者は当日までひやひやもの。最近の相撲人気は沖縄でもそうとうなもので、もともと当たる要素はあったともらすプロもいる。

 この手でいけぱ、長嶋人気にわくプロ野球巨人軍を沖縄に呼ぶ企画もなりたちそう。もともと沖縄は巨人ファンの多いところ。ひとひねりしたオープン戦でも仕立てたらヒットするかも、と街のプランナーの話題になっている。


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大規模なシンガポールのコンベンション事業

 オキナワコンベンションビューローは九月二十七日から十月一日までコンベンションの先進地シンガポールの視察研修(団長・大城栄禄・OCB事務局長)を実施した。OCBのメンバーを中心に二十人が参加し、シンガポールの最新コンベンション事情を調べた。

■世界で10位以内にランク

 シンガポールは国際会議の開催実績が世界のベスト10に入る都市で、本格的なコンベンション施設の建設を通じてコンベンション開催のメッカに成長。これまでのワールドトレードセンターなどのコンベンション施設に加え、二千室のホテルを中心としたラッフルズシティー、アジア最大規模のコンベンション施設を中心にすえたサンテックシティーなどの巨大開発が進行中。視察団はこれら施設を中心にコンベンション事情を調べた。

■偉容誇る2000室のホテル

 ラッフルズシティーは客室数二千室のウェスティン・スタンフォードホテルとウェスティン・プラザ、オフィスビル、地下鉄駅からなる巨大再開発プロジェクトで、一九八〇年に総工費十二億ドルをかけて着工、八六年に完成した。周辺はマリーナ地区と呼ばれ、巨大ホテルが林立している。

 コンベンション施設としてはラッフルズボールルームがあり、床面積二千二百五十七平方メートル、収容人員はシアター形式で三千五百人、バンケットでは二千人と東南アジア最大規模を誇る。ホール使用料は一日約五十万円と安く、大きな国際会議は二年前にはスケジュールが決まっている。現在九六年までのコンベンションが決まっており、ホテルのセールススタッフは年に五、六回の海外セールスを行っている。

 日本担当セールスマネージャーの薄康二氏によると、「七十三階建てのホテルは世界一ののっぽびる。ウェスティンホテル&リゾートが経営を引き受けている。開業当初はオイル不況の影響もあり、稼働率が一〇%前後という惨憺たるものだったが、その後業績は向上し八七年、八八年と徐々に稼働率は上がり、八九年は年間九二%稼働。以後、同様に推移。今年も七月が八二%、八月が九五%、九月二四日からは一〇〇%の状態が続いている」

 という。

 シンガポールの最近のコンベンション事情としてはラッフルズシティーの完成後、コンベンション関連の開発がなく、九三、九四年の国際会議はコンベンション施設を一新した香港に取られた。九五年にはサンテックシティーの完成により再び優位に立ち、挽回できるものと見られている。

 「都市の中の都市」をラッフルズシティーはコンセプトに据えており、他のプロジェクトとの違いは、ホテル、オフィス、ショッピング、交通ターミナルの機能がバラバラだったものを複合的に整備。都市の中の都市を構築した点にある。従業員数は二千三百人。シンガポールでは日本のテナント方式を取らずショップの店員もすべて従業員としている。

 外観設計にも工夫を凝らし、見る方向によってさまざまな外観の変化を楽しむことができる。設計者のI・M・Pei氏が「次元のミステリー」という設計手法を取り入れている。

 ラッフルズシティーは政府が計画し、オーナーは七九年に設立されたラッフルズシティーPte.Ltd。プロジェクトマネージャーはDBS(シンガポール開発銀行)Land社の子会社、プロパティーマネジメントPte.Ltd。ウェスティンスタンフォード社はシアトルに本社のあるホテルチェーンで、八八年に日本の青木建設が買収した。

■総工費2000億円で建設中

 ラッフルズシティーに隣接してマリーナ地区に巨大コンベンションホールが建設されている。政府から埋立許可を取り、投資総額十五億ドル(約二千億円)をかけ、一・七ヘクタールを開発する。開発の中心にコンベンションセンターを置き、周辺に五つのオフィスビルを建設する。五つのオフィスビルとコンベンションセンターはショッピングモールでつながっており、大きなコンベンションがないときでも人の流れを 絶やさないようにしている。オフィスビルは、五棟の内四十五階建てが四棟、一棟はコンベンションセンターに隣接・連絡して十八階建てとなる。これら都市開発全体を通じて投下資金を回収する。

 開発主体は一〇〇%外資の香港企業サンテック・シティー・デベロップメントPte.Ltdである。ビルディング、マネージング、オペレーティングを担当する。土地はシンガポール政府から入札によって購入したもので、シンガポール政府は開発計画と応札価格を評価したという。

 サンテックシティーのセールス&マーケティングマネージャーのベルナディー・ラウさんは「開発に関して政府の財政的バックアップはゼロ。コンベンション施設については政府観光局がセールスを支援している」という。

 サンテックシティーのコンベンションセンターは正式名称は「シンガポール・インターナショナル・コンベンション&エキシビジョン・センター」といい、政府プロジェクトのようであるが、実際には一〇〇%民間の開発である。投資額は五億シンガポールドル(四百億円)である。六階建て、一フロアーの面積は一万二千平方メートル。ジャンボジェットが三機並んで収容できる広さである。

 フロアプランは一階にメインエントランス、インフォメーションカウンターなど。二階にボールルーム、ミーティングルーム、五千食の洋食と四千食の中華料理を同時に提供するメインキッチンを設けいている。

 三階がミーティングルームと六百席のオーディトリアム、四、五階が吹き抜けの展示場、五階の一部がレストラン、売店、六階はコンベンションホールとなっている。

 最新の設備として四、六階のホールは三×三メートル毎に水道、電力、電話回線、圧縮空気を取り出せるミニブースを床下に配置している。これは、国際的な展示会のほとんどが三×三平方メートルの小間割りとするのが一般的で、小間割りに合わせて電力などを供給するものである。各階は直接大型トラックが乗り入れられるようスパイラルランプを設けている。

 ベルナディー・ラウさんによると、

「コンベンションセンターそのものは投資に対する回収を見込んでいない。経費が出ればいいという考えだ。当社としてはオフィスビルのリース料、売却料などで投資の回収が可能だと考えている」

 といい、コンベンションセンターは周辺に整備したオフィスビルの価値を高めるという目的もある。

■5000席の多目的ホール

 シンガポールのコンベンションの中心となってきたのがワールドトレードセンター(WTC)である。港湾局が一九七八年に建設。年間八十の展示会が開催されており、そのうち六、七割りがトレードショウである。会議も年間二百件前後開催されているが、ほとんどが地元のもので、国際会議を集計する政府の統計には現れていない。

 WTCはクルーズセンターであり、国際航路のセンターでもある。セントーサ島、バタン島へのフェリーその他が入出港し、オフィスが集積している。

 WTCの特徴はすべての施設が一階にあり、車で展示物の搬入搬出ができる点である。

 今年六月にはハーバーパビリオンが完成した。最新の多目的ホールであり、広さは三千八百二十二平方メートル。ステージと五千席の観客席がセットでき、ダイニングスタイルの食事なら二千五百席が用意できる。

 施設を説明したコンベンションマネージャーのチャンドラン・ナイア氏は、

「韓国や台湾の貿易センターとは異なり、シンガポールのWTCそのものはコンベンションのセールスはしていない。上部機関の政府観光局などがセールスしている。WTCは総務、コンベンション管理、メンテナンス、ビルマネジメントに専念している」

 という。

 また、サンテックシティーなどの完成後、WTCでのコンベンションが減少する心配はないか、という問に対してチャンドラン・ナイア氏は、

「イエスともいえるしノートもいえる。サンテックシティーは相当にお金をかけたプロジェクトであり、対象にするコンベンションの規模も大きい。しかし、WTCの仕事がなくなるわけではなく、むしろ全体的な市場が拡大し、ともに補完しあってビジネス規模が大きくなるものと思う」

 と見通している。

■施設に大きな自信

 以上のコンベンション施設やコンベンション政策を統括しているのがシンガポールコンベンションビューロー(SCB)である。SCBはシンガポール観光局の一部門であり、観光局に設けられた@マーケティングAコンベンションBサービスC運営計画D開発E経営Fイベントの七部門のひとつである。

 非営利の団体であり、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、アジアにセールスネットワークがある。シンガポールのコンベンションのコンセプトはズバリ「ミート・イン・シンガポール」。

 SCBは七四年に設立された。目的はシンガポールを国際的なコンベンション都市に仕上げることである。活動内容はコンベンションの出席率を上げたり、オーガナイザーに企画を持ち込んだりすることである。国際的にシンガポールをPRすることも大きな仕事であり、具体的なコンベンションに対しては下請け業者とのコンタクト、航空・旅行会社とのコンタクト、ホテル・開催場所とのコンタクトなど主催者とサプライヤーとの仲介が主な業務である。同時に政府団体やプロの企画者など非サプライヤーと主催者との間の仲介も務める。

 コンベンション誘致のためにはコンベンション資料を製作して世界中の関連機関・主催団体に配付するほか、マスコミでの宣伝、海外コンベンショントレードショウへ参加し、積極的にシンガポールを売り込んでいる。

 説明にあたったコンベンションマネージャーのニコラス・カオ氏は、

「一九九五年はシンガポール独立三十周年、SCB設立二十一周年、サンテックシティーオープンの記念すべき年。《ミート・イン・シンガポール・イヤー》としてキャンペーンを展開します」

 と意欲的だ。

 SCBは政府観光局を通じて予算が配分され、予算そのものは四%のホテル利用税、飲食税でまかなっている。観光局全体の予算規模は九一年実績が九千三百万Sドル(約七十五億円)であった。ホテル利用税、飲食税は観光局に登録している一流ホテル七十社からのもので、徴税形態から、ほとんどを観光客が支払う。この他にもホテルはあるが、中小ホテルであり登録していないため、税金は徴収していない。

 税率の四%は変動させることができ昨年は湾岸戦争で観光客が減少したため三%に下げるなど弾力的に運用している。

 一九九五年にはサンテックシティーのコンベンションセンターが完成し、マリーナ地区のホテル客室はラッフルズ、パンパシフィック、マンダリン、オリエンタルシンガポール、隣接して開発中のポンティアックマリーナを加え五千室が実現。一万三千人のコンベンションが開催できるようになる。

 シンガポールのコンベンションの最大の魅力は何か、という質問に対しニコラス・カオ氏は「絶対的に施設です。一千人の参加者がいるなら一千人収容の施設が必要です。さらにシンガポールは世界五四のエアラインが乗り入れ、百の国際都市に直行できます。

 一言でいってインフラストラクチャーが優れていること。これがシンガポールの最大の魅力です」と大きな自信を見せた。


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RACに移管承認

 琉球エアコミューターが申請していた、那覇=北大東、石垣=波照間などの二地点間旅客輸送が十月十五日午後、運輸省大阪航空局から実施承認された。これによって琉球エアーコミューターがすでに運航している那覇=ケラマ、那覇=粟国線に加え南西航空がDHC−六型機で運航している六路線が琉球エアーコミューターに移管さる。

 新たに編成される路線の開設予定は十一月十六日で、運航ダイヤ、運賃は現行の通りとするが、宮古=多良間線については増便して週五便とする。

 予約は十月十六日から県内は南西航空、県外は日航が取扱い、那覇空港第二ターミナルに専用カウンターを設けて搭乗受付などの旅客取扱いを行う。

 また、長距離路線である那覇=北大東、南大東については客室保安要員が乗務するが、その他の路線では乗務しない。

 DHC路線の琉球エアーコミューターへの移管については、各離島から運賃値上げやサービス低下などで不安の声があがっていたが、南西航空が現行運賃とサービスの維持を約束、九月に入って急転直下円満解決した。


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