第427号(1993年12月合併号)


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エアーオリオン、会員を募集 台湾の航空会社を活用、生協組織で離島を結ぶ

 外国航空機を使用して輸送を行う準備を進めているエアーオリオン(宮良正啓・代表)は、生活協同組合設立のための組合員の募集を開始した。

 エアーオリオンは八月二十六日に運輸省に外国機使用の認可申請を行っており、計画によると、台湾の馬公航空の協力を得て沖縄県内での輸送を行う。使用機材はBAe一四六−三〇〇型機(百十五人乗り)。輸送形態は生活協同組合を設立して組合員の輸送に限る。

 運賃(負担金)は那覇=石垣間が七千円、那覇=宮古間が五千円としており、現行運賃の半分以下を打ち出している。

 運輸省はこれまで「外務省中国課の了解が必要」としていたが、宮良氏が東京の中国大使館と交渉し、中国側の了解をとりつけたため、外務省もこれを了承し認可に当たっての運輸省の注文はクリアしている。

十一月二十六日に運輸省で行われた宮良氏と運輸省の協議では、認可は生活協同組合設立の後、組合に対して行われる。これによって、国内初の地域住民による航空機の運航に向けて大きな一歩を踏み出すことになる。

 沖縄ではこれまで県知事や県議会などが再三にわたって航空運賃低減を各方面に要請・陳情してきたが、運賃が下がることはなかった。生活協同組合によって、運賃の値下げが具体化することになり県民は歓迎している。

 エアーオリオンは電話〇九八(八六八)五五五二または(八六八)〇〇六一。

入会金3000円、中国も運航を容認

解説 外国航空機を国内で使用する場合、航空法第八章外国航空機、第百二十七条(外国航空機の国内使用)に「外国の国籍を有する航空機は本邦内の各地間において航空の用に供してはならない。ただし、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない」とあり、エアーオリオンが認可を受けようとしているのはこの部分。

 航空法でいう航空運送事業とは異り、生活協同組合を設立して航空機を運航するのは、現状では認可運賃制があるため、沖縄県民のニーズに沿った運賃が設定できないため。運航に当たっては国内の航空機を使用する方法もあり、実際に運輸省は「国内で航空機を調達できないか」と注文を付けたが、人件費などの経費が高くつくため外国機の使用を計画したもの。

 運輸省はすでに航空機の整備を外国で行うことを日航などに許可しており、航空機の運航に関わる費用は、外国に比べると、日本にはもはや競争力がないことを暗に認めている。

 一方、生協は三百人以上の賛助会員があれば創立総会を開いて設立認可を申請できる。県内には「コープおきなわ」、沖縄国際大学生活協同組合など十一の組合と一つの連合会がある。

 生協は食品や生活雑貨を安く売るスーパー形式のものがよく知られているが、これ以外にもさまざまな生協があり、たとえば車検を生協で行い、費用を安くしているところもあるなど、生活の改善に関わる事業は何でも出来る。また、生活の改善は国民の権利であり、国の規制緩和策と絡んで注目されている。


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連載コラム視点 所得減税より旅行減税

 政権が変わる前には「もし政権が変わるとさまざまなマイナスが出てくる」というのが時の権力者の口癖である。

 ところが実際に変わってみると、大した差はない。むしろ細川さんの場合、政治改革法案を通すなどよくやっているように見える。

 沖縄では、西銘・県政から大田・県政に変わって三年経つが、この間、特に不都合はなかったのではないか。県政が変わると、国の予算がカットされる、といったデマが流れたが、実際には予算のカットなどなかった。

 細川さんの場合も、今のところ「何だ、政権が変わっても国民にとってなんら不都合はないではないか」との感じがする。しかし、政治改革を通したことは評価される。

 問題は今後である。今年は不況に加え、ゼネコン汚職、冷夏による米の不作と問題が多かった。

 いちだんの景気刺激策が必要であるとして、減税が論じられている。同時に減税の財源が必要であるとして、消費税の値上げが検討されている。ここが、おかしい。減税の財源を増税で賄うなら、減税の効果はプラスマイナスゼロではないか。堺屋太一氏らがいっているように四月一日に減税して、翌年の三月三十一日に増税する、というのも早くものを買わなければ高くなるぞ、という一種の消費者に対する脅しである。

 減税と増税がセットなら、減税などいらない。減税→財源→増税(消費税アップ)という理屈はストレートにはつながらない。

 考え方はいくつかあるが、第一は減税はストレートに消費に回り、それによって景気が回復し、GNPが上向く。結局、ものが売れ法人税などの税収が上がれば、減税の財源として、増税は最初から不要である。実は、減税の効果というのは最初からこれが目的なのであって、いまいわれている消費税率アップによる増税というのはかえって消費意欲をなくさせるものであり、不要だ。

 第二は、新たな財源をシブシブ認めるとして、ではなぜその財源を消費税に求めるかだ。消費税でなく、国の支出を減らして財源にすればよい。これは事業の縮小ということにはつながらない。無駄をなくせばよい。

 たとえば農林水産省という役所は、農家に米を作るなという行政指導を長年行ってきて、日本の農業をダメにし、今年の不作を招いた。こういう役所はなくてもいい。むしろなくして農水省の役人は農民になってもらったらどうか。農家は高齢化し、後継者もいなくて困っている。日本の農業を立ち行かせるのがこの役所の仕事なら、自ら農民をかってでるべきである。これをやれば役所の経費が減り、減税の財源となると同時に、農家にとっては後継者ができ、これほどめでたいことはない。

 第三に、ここからが本題だが、減税プラス増税をセットで行うというのは、先に減税した金がそのまま消費には回らないかも知れないという心配があるためでもある。そこで考え方を変えて、国民が今後予定以外に使う金について、減税処置をとるという発想もある。その場合の財源はいらない。

 ここに観光産業が華々しく登場する舞台が出来る。観光産業が総合産業であるのは常識だ。旅行客はいった先でさまざまに消費し、その地域の経済に相当に貢献する。

 そこで、国民一人当たり百万円以上の国内旅行を行った場合、その金を所得税から控除する(免税にする)という政策をとる(額については最も合理的なものにすればよいが、ここでは簡単のためキリのいい百万円にしておく)。百万円以上使ったという旅行会社などの領収証があれば、所得税控除の対象にする。一回の旅行で百万円も使わなければ二回、三回と旅行すればいい。とにかく年間百万円に達すれば免税にする。

 この方法なら、所得税の減税になると同時に減税分は完全に消費に回る。

 国民一人当たりの国内、海外も含めた年間の個人旅行費用がいま、平均五十万円前後だとすると、五十万円が予定外の消費となり、五十兆円以上の新たな消費を生む計算だ。この金は少なくとも二回転することが分かっている。百兆円の効果となって現れる。

 かつて中曽根・首相がアメリカとの貿易摩擦が激しかったころ「国民一人当たり百ドルのアメリカ製品を買ってほしい」と呼びかけたことがあった。もちろん、そんなことをしてもアメリカ製品を買おうという国民はいなかった。メリットがないからである。このときもし、アメリカ製品を百ドル買ったという領収証があれば、所得税を控除するという踏み込みがあれば、ひょっとしてアメリカ製品が売れたかも知れない。しかし、これが前例になると世界中から同様の要求がでて大変だろう。

 旅行費用の控除というのは、観光産業が日本全国どこにでもある産業であり、同時に総合産業であって他の産業と密接に結びついている点がミソである。しかも国内旅行に対象を絞るから確実に内需は拡大する。増税のような永久的な制度である必要もなく、必要なときに限って実施すればいい。

 有力な観光地である沖縄や北海道が優遇される政策だとの批判もかわすことが出来る。というのも沖縄の場合、観光収入のかなりの部分が県外に流出するから、沖縄に観光客が増えれば、沖縄以外の他の地域も確実に潤うのである。旅行費用控除という考えは沖縄経済圏だけを考えたものではなく、とにかく日本国内での消費が増えれば景気は上向くという、単純明快な発想である。 (明)


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航空4社の上半期実績 沖縄が好調

 航空各社の上半期(四月〜九月)実績がまとまったが、新規路線を除くと各社とも不況で前年割れとなっている。この中で、沖縄線については主要路線でばらつきはあるものの、ほぼ前年並みを達成し、航空四社の合計では沖縄線に関しては前年をわずかに上回っていることが分かった(表参照=省略)。

 上半期は全日空は幹線十一路線中七路線が前年割れ。プラスとなったのは大阪=沖縄線の二%増、福岡=札幌の三%増、新規の成田=札幌が全増、成田=大阪の一%増。

 ローカル線は六十八路線中プラスとなったのは東京=稚内、東京=庄内、大阪=松山、名古屋=旭川、名古屋=長崎など十三路線。 全線では五%減となっている。

 この中で沖縄線九路線は合計で百二十五万二千三百六十七人(〇・四%増)とわずかに伸びている。これは七月に開設した高松線の影響もあり、高松線を除くと〇・四%減と前年をかすかに下回る。

 日航は上半期に全線で七百九十四万九千八百六十八人(〇・一%増)を運び、ほぼ前年並み。しかし、新規開設の仙台=札幌、羽田=大阪、大阪=福島線、運航期間を拡大した札幌=沖縄、二便化した羽田=秋田、大阪=仙台の大幅増があり、既存の路線は前年割れが多かった。国内三十一路線中、前年を上回ったのは新規路線も含め十七路線となった。

 沖縄線は四路線の合計が百三十三万百七十二人(一・八%増)とやや伸びている。期間を延長した札幌=那覇を除いても、伸び率は〇・八%増とかすかに前年を上回った。

 日本エアシステムは全線で七百四十七万七千七百六十二人(一・五%減)。八十路線中二十三路線が前年実績を上回った。

 沖縄線は東京線が七万七千八百六十三人(一・四%減)と前年をわずかに下回った。

 日本トランスオーシャン航空は全線の旅客数が百十一万千三人(三・一%増)と増加。鹿児島=那覇、東京=石垣の新規開設で全体を底上げした。このうち県外線は三十万八百三十二人(四六・三%増)と大きく伸び、特に名古屋線が増便、機材の大型化の影響で十万九百六十六人(四倍)と大きく伸びた。

 一方、国内主要路線は東京=大阪が新幹線との競合で各社が実績を落とし、東京、大阪、名古屋など大都市圏と福岡、大都市圏と札幌、鹿児島、函館などの主要路線は軒並みマイナスとなった。大都市圏と沖縄は、JTAへ路線移管前の日航の名古屋=沖縄線のデータが含まれていないが、三・三%増と堅調な伸びを示している。

 この間の沖縄県への入域観光客数も二・〇%増と前年を上回っており、沖縄路線は他の地域が軒並み前年割れの状態なのに対しかなり健闘していることが分かる。


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