第481号(1996年6月1日号)


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OCVB 財務改善に着手 「国際競争に立ち向かう」

県観光振興課と(財)沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は五月二十八日、県庁講堂で今年度の重点施策説明会を開いた。この中でOCVBの洲鎌孝・事務局長(写真)は「組織の効率的経営が、今後大きな課題としてクローズアップされる。収益の拡大とコストの削減を行う財務部門を強化し、民間企業と同じ発想で取り組んでいく」と初めてリストラなども含めた経営問題について発言。「OCVBは行政を補完するものと考えられていたが、今後は旅行観光産業のなかにあって業界の声を取り入れ、民間と同じように組織を機能させたい」と方針転換することも明らかにした。

 OCVBの経営に関する議論はこれまで表だって行われたことがなく、「財務内容が分かりにくい」との指摘もあった。新しいOCVBはこれに一歩踏み込むもので、組織改善のための指針案を六月中につくり、県当局と検討することを明らかにした。現在、経営改善委員会で具体的な指針づくりを急いでいる。

 OCVBは職員数で百二人、予算規模は二十一億円。このうち十五億円を公益事業として沖縄県からの補助、委託などによっており、残りを五事業所(沖縄館、エキスポランド、名護浦荘、海中公園、海軍壕)からの売上でまかなっている。

 また、洲鎌事務局長は最近の旅行商品の低価格化について「沖縄観光が国際商品となり、価格面で海外と競争するのは自然の流れだ。県内の関連業界の皆様もこの流れに立ち向かってほしい」と述べ、旅行の低価格化に正面から取り組む決意を示した。OCVBの経営改善問題もこの流れに沿って行われたと見てよく、業界の協力を求めるには自らの組織改革が必要との判断も働いたものと見られる。

■6月12日にはハワイと観光協定調印 洲鎌事務局長の発言要旨

 沖縄県の入域観光客数は昨年の七月以来毎月過去最高を更新し、二年前には想像できない活況を呈している。関連業界の皆様が努力を積み重ねた結果だ。しかし、土産品の売れ行きなどは一人当たり二〜三割ダウンしているといわれ、この傾向は当面続くものと見られる。沖縄観光が国際商品となったからには旅行商品の低価格化は避けられない状況であり、これに業界も正面から立ち向かって欲しい。

 OCVBはOVB、OCB、OCCが四月に統合したもので、職員数百二人、予算規模は二十一億円である。組織は副会長制を廃止し、前副会長を顧問に戴いた。これはOCVBの運営を理事会を中心としたものにするためだ。

 また、OCVBの規模と効率は今後の課題としてクローズアップされてくると見られるため、総務部に財務企画課を置き、経営改善委員会を設けて収益増とコスト削減、経営全般の課題を検討している。経営改善策を六月中につくり、県当局と検討を重ねこれを実施したい。

 また、県の国際都市構想の一環として、ハワイとの観光協定を六月十二日に結ぶ予定だ。これは二年前の台湾との観光協定に続くものであり、今後、県の海外事務所の開設にあわせてシンガポール、香港、韓国とも同様の協定を結ぶ考えだ。国際都市構想では観光が中心になるものと認識し、国際観光地沖縄のステータスを確立するものだ。

 観光客の受け入れ推進については県がリストアップした沖縄観光五百の課題を解決していく。めんそーれ協議会を通じて毎月二十二日にクリーンキャンペーンを行い、八月一日には昨年に引き続き一万人のクリーンキャンペーンを実施する。

 また、六月二十三日をめどに観光ガイド、平和の語り部の認定を行いたい。

 イベント推進事業では誘客の視点からイベントを構築し、特に大琉球まつり王国を強化する。

 誘客宣伝事業では沖縄ディスティネーション開発協議会での議論の中から従来より市場に直結した誘客体制が整いつつある。今年はさらに企業訪問方式を採り入れ、沖縄県と航空路線のある十八地域にOCVBの担当者を決めて旅行社の皆様にきちっとした情報を届ける。

 コンベンション振興室はプロ野球教育リーグの開催、帆船レースへの取り組みを強力に進める。

 最後にこれまでOCVBは行政の補完の役割を果たすと考えられてきたが、今後はそうではなく、職員は積極的に外に出ていって旅行観光産業の皆様と一緒に沖縄観光を考え、民間と同じように組織を機能させたい。ご協力をお願いしたい。


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那覇空港旅客ビル着工待った 運輸省方針

 新しい那覇空港旅客ターミナルの建設について運輸省は「現ビルの後利用計画を先に策定するように」との意向を示し、関係者は後利用の策定に全力を挙げている。後利用基本計画が決まらないと新ビルの着工も遅れそうで、当初予定の平成十年度供用開始ができるかどうか、心配されている。

 新旅客ターミナルは第三セクターの「那覇空港ビルディング株式会社」が建設運営することになっている。現在の「那覇空港ターミナル株式会社」は新ビルができたときは一テナント業者として入居することになる。そうなると那覇空港ターミナル株式会社は復帰前から手掛けてきた空港ターミナル事業から手を引き、代わって、那覇空港ビルディングが事実上の空港事業を引き継ぐことになる。

 運輸省はこのことを重く見たようで、今年七月にも着工が予定されていた新ビル建設工事に待ったをかけ、「現空港ビルの後利用を先に策定するように。それまで工事着工は見合わせてもらいたい」と方針を知らせてきた。

 このため空港ビルディングでは急きょ、関係者と後利用策定の協議に入り、工事の入札、七月に予定していた起工式も延期した。

 現空港ビル一帯は国有地で広さは約二万坪。これだけの広大な土地が都心の一等地にあるのも貴重なもので、いかに活用して県益につなげるか、大きな課題。近くの那覇軍港跡地利用計画とも連動して一帯は国内でも有数なベイエリア・ゾーンとなっている。

 現空港ビルは残存価格が十五億円とも言われ、建物をそのまま利用するには補修費用などを合わせて三十億円はかかると見られている。しかし、後利用計画が運輸省、大蔵省などの了解を得られないと、二万坪の土地は県の手を離れ、国が使うことになる。なんとしても後利用計画を立て、沖縄県のために使用できるようにしたいというのが大方の意見。後利用は那覇軍港返還との関連、ジェットフォイルの離発着ターミナル、二十一世紀に発展するアジアをにらんで「自由貿易地域」の拡充案などが浮かんでいる。

 基本構想がまとまり、政府(運輸省、大蔵省など関係省庁)の了解が得られればすぐにでもターミナルビルの工事に着工できる。このため県は近く関係者で組織する「検討委員会」を組織して県民の知恵を集めて跡利用計画を策定する方針だ。当初予定の七月着工のためには六月中に後利用計画を策定し政府の了解を取り付けなければならない。県にとって厳しい日程に直面している。


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ヘリオス酒造 具志頭村の地ビール工場7月開く

 地ビール製造を計画しているヘリオス酒造の事業スケジュールが公表された。それによると、具志頭村のブルワリー工場とパブ(百席)のオープニングレセプションが七月四日、ブルワリーパブの営業開始が七月六日となる。また、那覇市内の国際通りに七月十九日、ビアパブ(三十五席)をオープンする。

 ヘリオス酒造は総合酒類製造メーカーで、一九六一年の創業時には沖縄で豊富にとれるサトウキビを原料にしたラム酒のメーカーとしてスタート。その後、ウイスキー、リキュールの製造も手がけ、八〇年に泡盛の製造開始。今年はビールの製造を始めるもの。

 具志頭村のブルワリー工場面積は二百七十八u、醸造設備はカナダのブルーイングテクノロジー社製。製造予定量は年間百五十キロリットル。工場には広さ百八十二uのブルワリーパブを併設してできたてのビールを提供する。製造量は一日あたりに換算すると、三百ミリリットルのジョッキで三百〜四百杯分になる。提供価格は一杯五百円前後とする。

 九四年に酒税法が改正され、それまでビールの最低製造量が年間二千キロリットルだったのが、六十キロリットルへと引き下げられ、国内各地に「地ビール」メーカーが生まれている。

 県内のビールメーカーはこれでオリオンビールとヘリオスの二社になった。

 ヘリオスは新しいビールを「ヘリオスクラフトビール」と名付け、これまでのナショナルビールとは全く違う味のビールを提供する。一日あたり生産量に限りがあるため、かえって熱処理や濾過をしないで酵母が生きたままの生ビールを飲むことができるというのが、全国的な地ビール人気の要因だ。

具志頭のブルワリーは車で三十分圏にひめゆりパーク、平和記念公園、ひめゆりの搭、南山カントリークラブ、パームヒルズゴルフクラブ、那覇カントリー、サザンリンクスなどゴルフ場や観光名所があって、観光客七、地元三の割合を見込んでいる。また、那覇のビアパブは山形屋のとなりに開店、観光客二、地元客八を見込んでいる。生産量は需要に応じて拡大していく予定。問い合わせはヘリオス酒造株式会社那覇支店、地ビール事業準備室、電話〇九八(八六七)三五三五。


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