第492号(1996年11月15日号)


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空港=リゾートのシャトルバス実現へ

 県内のバス四社が空港=西海岸、中部=西海岸のシャトルバス運行の実現に向け動き始めた。琉球バス、那覇交通、沖縄バス、東陽バスが空港=西海岸を共同運行するもので、総合事務局運輸部との調整に入った。西海岸シャトルの計画はリムジンバスを運行、那覇市内二、三カ所に停留し、西海岸リゾートまで結ぶ案などが検討されている。

 現在、那覇空港=西海岸リゾートは名護行きの路線バスとインバウンドを手がけるホット沖縄のコーラル号が運行しているが、運行回数などを増強して利便性を高める。

 四社は共同運行について基本的に合意、協定書締結までにはさらに四社間の条件整備など詰めの作業が残っているが、四社合同の作業委員会を設け運輸部や県、ホテル業界などと話を詰め、実施計画の作成を急ぐ。実際の運行は来年後半となる見込み。

 現在検討されている案では、事前に予約を受け、旅行社にも切符を取り扱ってもらう方式が有力。

 一方、中部路線の共同運行も検討しているが、これまで参考となる実績がない路線であり、新規の設備投資も必要となるため実施は西海岸シャトルよりやや遅れる見込み。

 シャトルバスの運行は運輸省が音頭をとった沖縄デスティネーション開発協議会で二年以上前に持ち上がった構想で、先の観光立県推進会議でも報告書に盛り込まれている。


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サン沖縄の高嶺調理長、アロエベラの加工技術開発

 アメリカでジュースなどに加工されてポピュラーな健康食品となっているアロエベラの調理方法をホテルサン沖縄の高嶺貞裕総調理長が世界ではじめて確立、話題になっている。

 アロエベラは栄養価の高さからアロエの中のアロエといわれ、葉の長さは一メートル以上になる。宮古島で大々的に栽培され、最近では那覇市内の市場でもキロ八百円〜千円前後で販売されるようになった。

 栽培農家から高嶺調理長のところにはじめて料理ができないかとアロエベラが持ち込まれたが、ゲル状の果肉の扱いが難しく、二カ月かけてやっと「氷水で締めると加工できる」ことに気付き、最初の試作品ができたという。アロエベラの栽培は日本では沖縄が最も適しており、十一月頃から「旬」となる植物だ。

 アロエベラの栄養価は非常に高く、健康食品として世界中から注目されているが、うまい調理方法がないため、これまで皮を含めてジュースにしか加工できなかった。調理しようと皮をむいても、透明なゲル状の果肉はしばらくすると溶けてどろどろになってしまう。ところが、一端氷水に浸けると、長時間たっても溶け出さないことがわかった。「和食の調理法がアロエベラに応用できた」面白い例だ。また、多くの人に試食してもらった結果、はじめて食べた人の中にはときどきおなかを下す人がいることがわかったが、二回目以降は快調であることもわかった。

 高嶺調理長はこの間、毎日アロエベラを食べ続け、アイデアを練ってきた。アロエベラの果肉は本来無味無臭といえるほどで、全くクセがない。このことから、どんな味付けにも染まる理想の食材であることに目を付けた。

 葉の皮をむき、氷水で締めるとちょうど透明なマグロの切り身の大きさになる。これをサシミにしてわさび醤油でもうまい。ステーキの添え物にしても肉汁を吸い込んでいける…というわけでこれまでに百種類以上のメニューを開発した。

 また、皮は根に近い部分は味にクセがあって食べない方がいいが、先の部分は成分が異なるため果肉と一緒にすり下ろしてとろろ風にして食べることができることもわかった。

 ホテルサン沖縄の地下にある「松風」でこれらの料理を味わうことができる。ウィークデイの昼食なら八百円〜。

 高嶺総調理長はホテルの調理長が集まる会合でもアロエベラの調理法を公開。他のホテルでも最近、アロエベラが使われるようになってきた。ホテルサン沖縄では料理の一部ではなくもっと徹底してアロエベラを主役にした会席料理なども出す。

 県内各地の婦人団体などから調理方法を教えて欲しいという要望も多く、講習会に引っ張りだこだ。「主婦もプロも電話で予約してくれれば、目の前で調理方法を伝授します。その際はぜひグループでおいで下さい」といっている。ホテルサン沖縄は電話〇九八(八六六)一一一一。


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組合方式で格安航空輸送を…の宮良氏に県外マスコミ殺到

 県民が資金を出し合って組合方式で航空機を運航する計画を進めている宮良正啓氏に県外マスコミからの取材が殺到、注目を集めている。新航空会社を設立して札幌=羽田を結ぶ構想が進む北海道からは北海道文化放送がTVクルーを送り込み、取材。他に日本経済新聞(東京)、北海道新聞、日経トレンディー、朝日新聞(東京)が資料を請求したり、宮良氏にインタビューしている。

 北海道文化放送は架空のヒグマ航空を番組中に登場させ、専門家の協力を得て札幌=羽田が片道一万円で飛べると試算、実際に運輸省に乗り込んで「一万円の航空会社を設立したいが、認可するか」とせまっている。番組にはコメンテーターとして道出身の評論家舛添要一さんが解説、「高い航空運賃に道民は怒れ!」と威勢がいい。番組放送後、沖縄にHISや道内企業グループよりも早く航空機の運航に取り組んでいる人がいるとの情報が寄せられ、宮良氏を取材した。

 北海道のTVチームはちょうど宮良氏が航空局と電話でやりとりをしている場面の録画に成功、近く放送するという。航空局が宮良氏の計画を数年も引き延ばしていることに対し、ついに宮良氏が電話で怒りを露にした場面だった。

 また、日経トレンディーはHIS、北海道の養鶏業者グループ、宮良氏の組合方式の航空輸送をまとめて記事をつくるといい、担当記者は「北海道よりだいぶ進んでる。ビックリした」と驚いている。

 北海道新聞は数年前に航空運賃問題が全国的な話題になったころから宮良氏のインタビュー記事を掲載するなど航空運賃問題では沖縄と一種の連帯感を持った報道を行ってきた。最新の宮良氏の動向について、運輸省とのやりとりなど資料を請求した。このほか、朝日新聞も資料を請求。宮良氏は山のような資料を送付した。

 一方、県内の日刊紙・琉球新報も十一月十三日付朝刊経済面で「組合方式で航空機運航を計画 格安な空の足狙う」と紹介した。

■解説 県内は冷ややか? 求められる柔軟な発想

 これら、県外マスコミの動きに対し県内の動きは緩慢だ。航空局が「沖縄県の推薦があれば認める」と航空行政とは無関係の要求を宮良氏にしたことに対し(そのような要求に応える必要はないが)、宮良氏が県離島交通課に推薦方を依頼したところ、担当者は知事に具申すべきなのに、真っ先に航空局にお伺いを立てて「推薦する筋合いにない」と応えるなどお粗末な対応が目立つ。

 このような県の性質は実は航空問題に限らず他の部局でも同様の傾向がある。

 沖縄県独自の考えを打ち出すべき国際都市形成構想の策定にあたって、県案を具体化する際に担当部局が関連官庁にいちいちお伺いを立てるケースがあとを絶たず、県庁内部でも困っている、というより計画立案者は怒っている状態だ。筆者自身も同種の経験が大量にあるが、これは別の機会に詳細に読者に紹介する予定だ。

 同様の例はマスコミにもある。米軍基地問題が大きくクローズアップされた際、TBSの筑紫キャスターが「海兵隊を引き上げるべきだ」とコメントしたところ、県内日刊紙の軍事担当といわれる記者らが「筑紫さんはドシロウト。海兵隊を撤退するはずがない」と社内で嘲笑したという。ところが一年たってみるとアメリカの軍事専門家も海兵隊は不要といいはじめており、軍事情勢もそのように動いている。言論の自由を忘れた完全な自己規制が沖縄のマスコミにはある。

 どうやらせっかく沖縄から航空自由化や国際都市形成構想など日本をリードする計画が出てきても、実現には県庁の役人やマスコミも含め担当者の脳内革命を先にしなければ無理なのではないかという情勢が見えてきたようだ。(渡久地明)


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