第498号(1997年3月1日号)| ▼ | ▼▼ | INDEX | HOME | 高すぎる那覇港の使用料 沖縄地区税関、不透明な海上運賃初めて指摘沖縄地区税関がまとめた那覇港の現状(34K)が各方面に衝撃を与えている。同資料は二月二十六日、総合事務局が開いた貿易ブロック会議で報告され、参加者によると「内容の重大性から会場はシーンと静まり返り、総合事務局の担当者は声も出なかった」という。 ■「南の玄関口」とは情けない 税関担当者の報告は淡々と続き、結論として、那覇港の貨物量は年々減少傾向にあり、このような制度を残していては沖縄の貿易は壊滅的打撃を受ける、というもの。 税関発表の基礎資料「那覇港の特徴」(左表、二月の記者懇談会で公表)の問題点で明らかなのは、まず、高い埠頭使用料金の項目だ。 荷捌き場使用料とは、輸送されてきた貨物を野積みするスペースの使用料で、港湾を管理する自治体が徴収するもの。那覇港と同じ二類港の鹿児島などが二円以下なのに対し、那覇港は五円と倍以上高い。また、平良、石垣港は三十円と三類港の中では群を抜いて高く、名瀬の一円七十銭の十八倍。 埠頭通過料も大きな問題だ。埠頭通過料とは、船から岸壁を越えて貨物を通過させる際に那覇市、平良市、石垣市が荷主(=消費者)から徴収するものだが、このような制度は日本の他のどこの港にもない。那覇市が四十円、石垣市、平良市はそれぞれ百八十円、二百円と異常に大きな額を徴収している。 実は埠頭通過料は沖縄が日本に復帰する前にあった制度で、復帰後は当然に消滅するはずの制度であった。日本のどこの港にもないのはこのためである。ところが埠頭通過料は復帰後、現在まで二十五年間に渡って生き続けてきた。県内の荷主らはこの制度が不当であるとして、(社)沖縄県貿易協会を中心にたびたび那覇市などに改善を求めてきたが、受け入れられず現在に至っている。通常の商行為なら有利な立場を利用して不当な料金を徴収している点で公正取引法に違反と見られてもおかしくない。 那覇港の異常性は高い海上運賃にも現れている。 米国西海岸からのコンテナ貨物の場合、四十フィートコンテナ一基につき七百十四ドルの「任意料金」(AF)が課されている。任意料金とはベースポートには科されないが、地方港など赤字路線などに科されるという。これも大きな問題で沖縄の港湾行政のお粗末さ加減の典型例だ。 水深の深い港湾を造らず、ガントリークレーンなどの港湾の性能を高めなかったため、大型船が入れず、那覇港はベースポートとして認められない。このため、沖縄への貨物はいったん横浜などベースポートに入った後に、新たに小さな船を仕立てなおさなければならず、貨物の積替にともなう余計な費用が出る。これが赤字の原因で、異常に高い任意料金を船会社が荷主(=消費者)から徴収している。同様に新たに船を仕立てた分、余計な「通貨調整措置」(CAF)が発生し、横浜の倍の料金を荷主(=消費者)は船会社に支払っている。AFもCAFもお粗末な港湾行政に起因する県民の大きな損失である。 中城湾には水深十三mのバースがあるが、ガントリークレーンがなく、本格稼働が始まっても結局、国際コンテナ船は敬遠すると見られている。現在、中城湾の水深十三mバースは入港する船もなく、地域住民が釣り糸を垂れ、巨大な釣り堀と化している。もっと驚いたことに、ではガントリークレーンを設置しようとしたら、岸壁が大型コンテナ船の接岸時の圧力に耐えられず、クレーンの重さを支えることができない構造になっており、補強しなければならないという。 補強はできるのか。港湾整備を運輸省傘下のゼネコンが一手に握っており、今後、補強するにも国際価格よりはるかに高額な工事費が要求されるという。要するにめちゃくちゃだ。 これらの問題点については(社)沖縄県貿易協会の崎原永広専務理事が講演などの機会をとらえて、これまでにも強く関係当局に申し入れてきたが、反応は鈍かった。 むしろ、アメリカの反応の方が早い。現在日米間で問題化している港湾荷役作業の事前協議にかかわる問題である。これは、日本の港湾荷役作業料金に不透明な部分があるとして、日本の貨物船がアメリカに一回寄港する度に、制裁として十万ドルの課徴金をとるという問題だ。アメリカがいう「不透明性」は事実である。日本の海運会社も「船会社に対する制裁は不当だが、問題は改善すべき」という見解だ。日米の海上運賃問題は、沖縄の最大の輸入相手先がアメリカであることから、ストレートに沖縄に反映するのである。 沖縄の場合は荷役時間が朝八時から夜十時までなどの制約があり、第一、第三日曜日が休み、正月や旧正まで休業がある。労働者にはもちろん休みを取る権利があるが、船が入港しない時でも出勤扱いとする慣例があり、大変な無駄がある。 これら港湾行政の拙さ、無計画な港湾整備、不当な料金の徴収、割高な荷役料などが積み重なって沖縄の海上運賃は世界一高くなった。そのツケは生活物資の価格に転嫁され、消費者が毎日の生活の中から負担しているわけだ。この状態は太平洋戦争の前からずっと沖縄で続いている大きな問題である。五十年以上前から沖縄県民は不当に高い消費財を買わされ、主力移輸出品であったサトウキビは買いたたかれてきた。この間、全く改善が見られないのである。これで「南の玄関口」(第三次沖縄振興開発計画)とは情けない。 この問題は現代でも、県内産業の振興に大きなブレーキをかける結果となっている。県内製造業の移輸出の障害となって、県産品の競争力を極端に失わせている。沖縄県物産公社の宮城弘岩専務は「沖縄の製造業の最大のネックは高い海上運賃にある」という。 沖縄地区税関は問題点を次のように整理している。「@埠頭料金、施設料金等のコストが高く、また、荷役時間が制限されるなど利用しにくい港となっている。このため、競争力のある港となるためには、相当の努力が必要である。A四航路、と限られた航路となっているため、航路拡大のためにも諸外国に対してポートセールスを積極的に行っていく必要がある。B貨物取扱量が非常に少ない。特に貿易額で見てみると那覇港においては、輸出一対輸入六・五と輸出額が小さいため(片付輸送)、輸出量を増やすとともに全体量を増やす必要がある。C更に、貿易(港湾)インフラにおいて、ハード面ソフト面の整備充実が必要である。例えばハード面では、コンテナ専用バースがなく、コンテナターミナル、ガントリークレーン等が整備されていない。一方ソフト面では、流通、貿易加工等のノウハウが集積されていない。今後これらの整備充実が必要である」。 港湾行政は非常に地味な分野で、情報の開示がほとんどなく、普段の物価に直接影響するにもかかわらず、消費者団体などは動きようがなかった。 「税関としては、那覇港が発展し、ひいては沖縄県の貿易が拡大することを期待しております。そのために、貿易統計データ、物流動向調査などの資料の提供を行うなど、税関行政の面から積極的に協力していきたい」といっている。税関の勇気ある姿勢に拍手を送りたい。(渡久地明) 《連載コラム視点》港湾当局の注意義務
高い沖縄の海上運賃については本紙は貿易協会の見解を元に何度も記事にしてきた。
ところが、行政側はなかなか重い腰を上げようとしなかった。
それどころか、取材すればするほど港湾関連の闇の部分がぞろぞろ出てきて、これでは当局が動くはずがないと半ばあきらめかけていたところだ。
しかし、ここにきて強力な援軍が現れた。沖縄地区税関である。
行政当局というのは机に座って企画書をつくるという作業が多いようだが、これでは現場がどうなっているのか全く分からない。
ところが、税関は現場の仕事である。何がホントに問題なのかハダで感じとることができる数少ない役所のひとつである。
そこが動いた。
いや、税関当局に問合わせたら、動いたとはいわないだろう。情報を提供しただけだ、というほかないだろう。
この原稿の執筆時点で那覇港の問題は本紙の特ダネである。
では県内の日刊紙が知らないかといえばそうではない。筆者も含め三人並んで記者懇に出ていた。
発表内容は毎月の貿易統計と副題の那覇港の貿易実績である。副題を説明する前に現状認識のための基礎資料として配布したのが、「那覇港の特徴」である。
これは極めて重大なデータである。ぜひ一面の資料を穴があくほど眺めて欲しい。
任意料金と称して、赤字路線に負担金を押しつけているが、なぜ赤字になるのか。大きな船が入る港がないというだけのことである。それをつくらなかった行政の怠慢は絶対に許すべきではない。
埠頭通貨料金も不透明な項目だ。日本全国こんな項目はない。あったとしたら、沖縄の制度が前例として使われた可能性がある(四国にあるらしい)。
また、中城湾が国際標準のコンテナ船が着けないような強度となっているのはなぜだ。
総合事務局の担当は「審議会を開いたのに地元からガントリークレーンの設置について要望がなかったから」、そのための強度を計算に入れなかったという。
当局はプロである漠然と想像していたが、これは筆者の目の曇りであった。港湾行政の担当者はドシロウトである。それどころか、港湾整備の予算を、自分の傘下の土建業社に渡した可能性があると疑われても仕方がない。
もしプロなら、明らかに問題点があるのに知らんフリをした注意義務違反がある。薬害エイズと同じだ。
薬害エイズは人が死んだから日本中で大問題になったが、沖縄の港湾行政は被害者がうやむやで(広く薄く県民が負担した)、大きな声とならなかった。そのため高をくくっていたのだ。
しかし、この問題の根っこは薬害エイズと同じである。闇の取引が行われたと疑われても致し方ない。
港湾行政担当者は国も県も市も、全部まとめて過去にさかのぼって徹底的に調査すべきである。隠しだてがあっては自由主義とはいえない。(明)
| ▲ | ▼ | INDEX | HOME | 労働保険ソフトを開発 全国でも珍しい一人で5本目
今回作成のソフトの名称は「INTELLIGENT WORK」で労働保険事務組合が必要とする法定帳簿の作成や報奨金の計算、現金出納簿まで自動的に処理するシステムである。 例えば委託事業主名簿、保険料納入通知書、徴収及び納付簿、保険料申告書等を作成するとともに、種類毎に保険料が分かる総括表、種類毎に徴収状況が分かる徴収状況表や保険料の滞納事業場名簿、納入事業場名簿を作成する。 報奨金の計算では、保険料報奨金支給基準に達している事務組合が申請する報奨金の計算を行うとともに申告書まで作成する。 保険料口座は事務組合の最も重要な業務である保険料の徴収、納入は徴収した保険料を入力するだけで保険料口座に自動的に処理されるため記帳が省略される完結型ソフトである。 このソフトで出来る事務は、 ▼委託事業主名簿=基本データ(法定の記載事項)を入力することにより、委託事業主名簿が作成できる(特別加入者は六名まで登録できる)。 ▼保険料納入通知書=算定基礎賃金等報告書、一括有期事業報告書から賃金データを入力することにより、保険料を計算し、保険料納入通知書が作成出来る。 ▼徴収及び納付簿=保険料の概算、確定、充当額、不足額、還付額等法定記載事項を単年度別に記帳できる。 ▼保険料申告書=法定様式第六号の事項を自動的に記帳し、申告書まで作成出来る。 ▼保険料総括表=概算、確定保険料、充当保険料や不足保険料、還付保険料を種別毎の一覧表が作成出来る。 ▼徴収状況表=徴収した保険料をインプットするだけで種別毎に保険料徴収状況(金額・徴収率)が分かる徴収状況表が作成出来る。 ▼滞納事業場報告書=保険料が法的期限内に納められていない事業所を種別ごと、枝番順に作成出来る。 ▼納入事業場報告書=滞納事業所が保険料をおさめることにより、報告する報告期間分の納入事業場一覧表が作成出来る。 ▼還付金事業所台帳=年度更新、増加概算報告時に事業所の還付保険料が発生した場合、継続事業所と委託解除事業所に区分した還付台帳が作成出来る。 ▼保険料口座=保険料の徴収や納付した保険料を入出金データを使用することにより金銭出納帳、預金出納帳、還付金出納帳を自動的に作成できる。 ▼報奨金交付申請書=報奨金交付基準に基づき、十五人以下事業所、十六人以上事業所に区分し、報奨金を計算。さらに報奨金申請書まで作成できる。
■次々にソフト開発
(株)大城マネージメント研究所がこれまで開発したソフトは▼適正人件費診断ソフト(MY PLANシステム)▼退職金診断ソフト(BELIEFシステム)▼労働時間診断ソフト(FRESH TIMEシステム)▼社会保険労務士用ソフト(健康保険・厚生年金・業務処理システム)▼労働保険事務組合用ソフト(INTELLGENT WORKシステム)がある。 問合わせは大城マネージメント研究所、〒九〇〇、那覇市壺川一七八。電話〇九八(八六六)八五二四。
| ▲▲ | ▲ | INDEX | HOME | 石垣底地ビーチで開会式 海のカーニバル今年の海のカーニバルは三月二十三日から七月二十日までの百二十日間(昨年は百日間)県内各地で開かれる。 海のカーニバルは初夏の爽やかな気候の下でマリンスポーツ等の大型イベントを実施して沖縄の美しい海を全国に紹介し、沖縄のサマーシーズンの観光客を増加させようというもの。 オープニングは石垣市制五十周年を記念して石垣市の底地ビーチで行う。当日は「うるずん八重山海開き」で午前八時十分から海開きセレモニーをスタートさせる。このあと三月三十日宮古海開き、四月五日恩納村長カップ第二回ビーチサッカー、六日ビーチ・エンデュロレース久米島大会、十九日海洋祭マンタピア八重山大会、五月三日南部パヤオカップ、六月二十二日サニツ浜カーニバル、二十八日残波祭り、下旬マリンフェスティバル本部、七月一日全日本ビッグフィッシング久米島大会などが組まれている。 このほか世界帆船フェスティバル(四月十一日から)などたくさんのイベントがある。 期間中、沖縄県海洋レジャー事業共同組合の協力で組合員ショップ及びマリンスポーツショップ利用料金を一五%割り引きする。 昨年実施したシーカヤックとジェットスキーは中止になった。 昨年の動員数は十五万一千七百十九人、県外二万六千七百七十六人、県内十二万四千九百四十三人だった。主催は沖縄県、沖縄県観光コンベンションビューロー、主管は沖縄海のカーニバル実行委員会、電話〇九八(八六二)〇五〇一。 本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。 Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission. |