第499号(1997年3月15日号)


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WWW使い旅行販売を支援 クレスト新システムを開発、販売

 インターネットを使って旅行商品の販売支援をするシステムをこのほど沖縄市のコンピュータシステム会社が開発、三月十八日に名古屋で最初の説明会を開きデビューすることになった。県内ではトラベル翼がこのシステムを初めて導入、運用試験などに協力している。

■カウンターで旅行先の画像見せる

 開発したのは沖縄市のコンピュータシステム開発会社、株式会社クレスト(池原稔社長)。従業員数は県内九十人、県外十七人と規模も大きい。

 同社は名古屋で開発された旅行情報システム「旅人」を開発会社ごと吸収し、インターネットと結びつけ大幅に機能を拡充、全く新しい旅行情報システムを開発した。現在、試験運用中で近く製品をリリースする。

 旅行社のカウンターのパソコンをインターネットで結び、画面で旅行先の景勝地やホテル・旅館の客室などをお客の目の前で見せる。

 可能ならその場で相手先のホテルや旅館に予約を入れる。データ収集は独自に開拓するものと、既存のホームページをリンクする方法などによって行う。

 カウンターを訪れたお客と一緒にその場で旅行を組み立て、スケジュール表を写真付きのカラープリントにして、その場で渡すことができる。

 これまでパンフレットや文字情報しかなかった旅行目的地の最新情報がインターネットでとれるため、よりきめ細かな情報提供サービスが可能となり、「行ってみたら想像と違うホテルだった」といった苦情が大幅に減らせる効果が大きい。

 システムの原型となった「旅人」は文字情報主体でいわば電子タリフ集に近いものだったが、名古屋を中心に二百社以上のクライアントがおり、新システムではこれまでのクライアントを引き継ぐ。

 インターネットを活用し大幅に機能を拡大したバージョンアップ版として生まれ変わり、中小の独立系旅行社を中心に新ブランドが確立できるまでに育て上げたいという。サーバーはインターネットを旅行業に応用しようとチャレンジしているリンクスネットワークを使う。

 クレストの池原社長は「もともとのクライアントがいる名古屋でまず説明会を開き、東京、大阪、地方都市での売り込みを図る」計画。

 新システムでは支店間を繋いで売上管理が可能で、さらに本支店間の通信費を大幅に削減できるようにする。また、四月から始まるNTTのオープンコンピュータネットワーク(OCN)をシステムに組み込む予定で、本支店間の通信費用を大幅に削減することが可能になる。システムは機器のリース料を含め四万円台(電話回線料別)に設定する予定。クレストは沖縄市室川、電話〇九八(九三九)九五四四。

■トラベル翼 旅行情報システムを採用

 トラベル翼(金城吉輝社長)は三月十日から那覇本社(仲松邦彦所長)の営業を開始し、インターネットを使った新しい旅行販売システムを採用した。クレスト社が開発したもので、那覇本社で試験運用中。製品完成後、新システムを全支店で導入し、インターネットをフルに活用した販売戦略を展開する。

 トラベル翼は本社は読谷村。中部地区を中心にきめ細かな団体の手配に定評があり、強力なセールス基盤がある。

 JASとタイアップして開発した主催旅行商品(レインボーツアー)の売れ行きが好調で、かなりの商品が那覇・南部で売れているため「悲願の那覇進出」(金城社長)を果たした。

 同時に格安航空券販売に見られる旅行業界の「観光ビッグバン」(同)に対応するための戦略を練り、詳しい情報を旅行客に提供するという旅行社の機能を重視してインターネットを導入。さらに、全米をカバーする各種チケット販売に乗り出した。野茂が出場するドジャースのチケットや人気のプロバスケット、フットボールのチケットのほか「吉田栄作が結婚式を挙げた教会での挙式などなんでも手配する。夢のある旅行を売りたい」との意気込みだ。

 金城社長は「今後の旅行業は旅行のきめ細かな説明能力のある人材が求められる。人材とコンピュータで武装しなければ、業界の横綱がたくさんいる那覇での店舗展開は難しかった。これまでどの旅行社も取り組まなかったきめ細かな情報提供とユニークな旅行商品の販売に取り組みたい。その体制を整えた」という。

 那覇本社の仲松所長は「挙式やスポーツ観戦チケットなどの単品の販売をきっちりやる。航空券やホテルはあとからついてくる商品という考え方を取り入れる」とユニークな店舗作りを目指している。トラベル翼那覇本店は那覇市沖映通りのダイエー近く、電話〇九八(八六八)八八四四。

■旅行業の情報戦に一石

【解説】 旅行観光産業でのインターネットの取り組みは航空会社や大手旅行社が中心で、中小旅行社の取り組みは今一つのところがあった。

 ところが、旅行をしようとするユーザー側は出版物やTV番組、インターネットでさまざまな情報をとり、旅行先の様子に精通するようになってきた。

 本紙連載の「格安自由旅行マニュアル」もユーザーの立場から、販売カウンターの情報力・仕入れ力をチェックした試みとも読め、単に主催旅行を販売するだけのカウンターよりも経験豊富な利用者の情報量優位の好例だ。

 実際に、カウンターがあらゆる旅行情報を持つことは困難な状況になっている。「テレビの特集を見て○○国に行きたい」といわれてもすぐには対応できないことの方が多い。

 カウンターの情報力を補完する意味でインターネットの利用は効果がある。これによって、大手と中小の情報力は対等にできる。

 県内のいくつかのホテルはすでに独自のホームページを設けているが、全国のカウンターがインターネットでアクセスするようになると日本中にパンフレットを置いたのと同じ効果が期待できる。

 重要なのは、「○○社はインターネットで旅行内容が確認できるのに××社は出来ないのか」という旅客側の要望だ。サービス体制の競争が今回の旅行情報システムで始まったという点、新システムが他の経営情報を提供出来る点、OCNの活用などが旅行業界にどのような影響を与えるのか、成りゆきに目が離せない。(本紙・渡久地明)


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自然を取り込んだ設計 ブセナテラス國場専務にインタビュー

 名護市に建設中のブセナリゾートがその全貌を現しつつある。七月一日開業、四百一室、初の第三セクターとなる「ブセナテラスリゾート」の國場幸伸・代表取締役専務に開発思想と運営方針について聞いた。

■新コンセプトで多様化に対応

 バブル崩壊後、沖縄でどんなリゾートを造るかが大きなテーマになった。

 計画当初、海外旅行客は千四百万人を越え、本来沖縄に来ていた人が海外に出ていくものと思われた。

 沖縄の魅力を十分引き出すリゾートを造ることによって、グァムやハワイに行く旅行客を呼び戻せると考えた。

 日本人がよく行くようになったグァムなどでリゾートの作り方が変わってきている。オープンエアータイプのものから、クローズタイプになってきた。グァムのヒルトンがいい例だ。

 クローズ型というのは全館をガラスで締め切って空調を効かせるものだが、ガラス越しの景色になってしまう。オープンエアは逆に開けっ放しにするが、台風などの影響を受ける。

 沖縄のリゾートはムーンビーチでオープンエアを取り入れたが、次第にアトリウム形式のものが主流になっていった。

 しかし、ブセナでは自然と宿泊客がどう対話できるかを重視した。その結果、原点に返ってオープンエアをコンセプトにした。

 沖縄らしさとは何かが問われている。沖縄の自然そのものと最大限に触れ合うことができるハードとした。すべてのパブリックスペースに風が入り、波の音がし、土の匂い、花の香りがただよう。台風時にはガラスやシャッターを使うが、普段は開けっ放しだ。

 このような空間で、リゾート客は自然の用意した舞台の前面に出ているという気持ちになる。チェックインすると同時にいつのまにか自然の中にいるという気持ちになる。

 地域全体の中にしめるホテルの位置づけにも特徴を持たせた。インブビーチ、希望ヶ丘、喜瀬区の海浜、景観、インフラ、バイパス道など地元になじんだ開発を進めた。

 ホテルから喜瀬区につながる部分にはパビリオンタイプのビレッジ(交流広場)を設け、地元とリゾート客が交流する場所を用意してある。

 同時に、客室は五つ星のグレードを提供した。内装材料はすべて海外で調達し、独特の雰囲気をつくり出している。天井を高くとり、余裕のある空間を造った。

 昔、沖縄は「暑いけど、日陰に入ると涼し」かった。それをホテル全体で再現している。そこでホテルの名称をブセナテラスリゾートとした。

■国際級のサービスを提供

 ブセナテラス開発準備室の岡庭正治室長はホテルの運営で新しい方式を導入すると次のように述べている。岡庭氏はジャルホテルグループで沖縄グランドキャッスルを振り出しに各国の日航ホテルでホテル運営を経験している。

 ブセナテラスの開発スタンスは、ホテルオーナーがある主張を持っているという点にある。沖縄のリゾートとは何かというところを深く考えて自然との触れ合いを最も重視し、地域全体との調和を主張している。これまでの開発にはあまりなかったことで、新たな主張でリゾート界の多様化に対応しようという意味が込められている。

 既存のリゾートの方向からちょっとベクトルの向きを変えてみようと…。そこでブセナテラスで沖縄のリゾートの技術を世界レベルに上げてみよう、そのような意気込みでチャレンジして行きたい。

 従業員は自分のホテルマンとしての経験や技量を向上させることに全力を尽くしてもらう。他のリゾートから求められるような人材に育って欲しい。そこに私の満足感がある。

 オペレーションにもさまざまな工夫を凝らす。たとえば、地元客を含めたダイレクトブッキングのための一定の客室を常に用意する。

 チェックインはカウンターでなくチェックインラウンジで行う。

 フロントやルームサービスへの電話は、電話番号を分けるのが普通だが、一つの番号であらゆるサービスに対応する。

 毛布を使わず、羽根布団を使う…、という具合にこれまでにないサービスを提供する。このほかにも、携帯電話を全従業員に持たせて迅速なサービスを提供するなど、細かい工夫がある。それらについては、今後、機会をとらえて公表していきたい。

 これらのサービスが、もし好評なら他のホテルでもどんどん取り入れてもらいたいと考えている。


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日刊新聞が取り上げない町の話題二題

日刊新聞が取り上げない町の話題二題。

■お墓移転に45億円

 ▼浦添市が大がかりな道路計画を立て、予算措置をした。ところが道路予定地には約一千五百基のお墓がある。このお墓を三カ年計画で移転させるために四十五億円の予算を組んだ。一基当たり三百万円である。この四十五億円を巡ってお墓業者の間でにわかに熱いお墓ビジネスが展開している。政府が組んだ沖縄特別振興調整費五十億円を巡って争奪戦が展開されたのは記憶にあたらしい。この四十五億円は政府の五十億円にも匹敵するくらいの予算である。

 日本全国の有力お墓業者、県内のお墓業者、中国の石材業者という日中琉の国・地域業者が入り乱れて商戦を展開している。モデルお墓を展示したり、霊園の新聞広告をしたりと、あの手、この手。道路そばに展示用の奇麗なお墓を見かける機会が多くなったのもこのビジネスのせいだ。中国が浮上しているのは最近の沖縄のお墓がセメント流し込みから、御影石を使った豪華なものに変わり、石材が安くて豊富な中国へ買い付けが殺到したためだ。ちなみに中国では石材も日本の市価の三分の一の値段で手に入り利益も大きいとか。

■半身不随の警察

 ▼那覇市内の交通渋滞はますますひどくなり、違法駐車もあとをたたない。そこで活躍するのが、警察の違法駐車取り締まりだ。

 取り締まりになくてはならないのがレッカー車。ところがこのレッカー車に異変が起こっている。違法駐車を見つけるとレッカー車が出動して移動させ、反則金もびしびし。レッカー料金は一万円前後。警察が摘発するから、商売繁盛間違いなし、と思いきやこれが不人気の商売だ。

 那覇市でこれまで五社あったレッカー社が「やーめた」とばかり転業してしまい、いまはやっと二社が出動できるだけ。このうちの一社もやめたい意向という。レッカー車がなければ違反を摘発してもハイそれまでヨ。違法駐車は増える、処理は出来ない。半身不随になりかねない事態に警察も頭が痛い。

 レッカー社を止める理由は儲けにならない、移動中に傷つけられたと訴えられるケースが多い。おまけに仕事に疑問を持つ若者が増え、従業員が集まらなくなったから、とか。

 お手上げになりかねない交通警察も従来の「しょっ引けばいい」やり方を変える時期にきているのかも。


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