第502号(1997年5月合併号)| ▼ | ▼▼ | INDEX | HOME | 今年の観光客早くも370万人の声入域観光客数が前半極めて好調で沖縄への観光客数は早くも今年の目標三百六十万人を突破する見込みで、三百七十万人を予想する声も出てきた。 入域観光客数は三月までの累計が五・六%増と順調に伸び、四月も前年実績をかなり上回るのが確実となってきた。 このため「今年の沖縄は前半プラス材料がなく、伸び悩む」との大方の予想を良い方向に裏切り、極めて好調だ。 本紙調べのホテル予約状況では五、六月も弱気な先が目立つものの全体では前年をやや上回るものと分析され、好調は六月まで確実。 七月以降は羽田線の増便、運賃値下げ、六月末のカヌチャベイ、七月のブセナテラスと二つの新規リゾートの開業で供給が増加、明るい材料に満ちている。六月からはTAPのフォローアップキャンペーンが展開されるのも大きい。 七月二十日からのマリンジェットの運行開始は那覇滞在、本部・伊江島の滞在客増加に結びつき、混雑が分散され快適性が増すと見られる。ブセナリゾートはホテルと同時に海中公園が再開し、大型ガラスボートの運行で受入体制が充実する。 県内ホテルも「価格は市場に決めてもらう」(リザンシーパークリゾート)という方針を打ち出したところが好成績を維持、低価格化を鮮明にしている。 航空路線はJASの東京線の一便増、JTAの羽田=久米島線開設、ANKの山口宇部=那覇線開設などが決まっており、JTAの羽田深夜便も調整中だ。 運賃値下げの影響も大きい。運輸省の沖縄振興策でノーマル運賃が下がる。この影響はツアー料金にはストレートには反映しないと見られるが、明らかに個人客増の方向でプラスとなる。沖縄振興策では沖縄線のコストが他の路線に比べてかなり下がるため、供給増加の方向に引っ張り、間接的にツアー料金が下がる可能性もある。 三月から就航したスタークルーズ社のスーパースターカプリコーンの影響も大きい。週二便の入港で毎回千人前後が上陸、国際通りや首里城の入場客増加で顕著な効果が現れている。 この結果、三月まで五・六%平均で伸びた入域観光客数は五、六月にやや伸び悩む可能性があるが、七月以降も伸び続け、通年で六%増、三百六十六万人が見込まれる。 もし、航空各社が運賃政策を現在の低価格政策から反転、つり上げた場合は市場が反発する局面も出るが、もはや値上げは極めて困難な状況になってきた。 格安券市場が成熟し、コンビニでの旅行商品販売開始や四月からのダブル・トリプル路線基準の撤廃など、運輸省の競争促進策が強力に進められており、値下がり圧力は今後も続くものと予想される。新規航空会社の参入などさらに価格引き下げの材料があり、極端な円高や沖縄を巻き込んだ国際紛争などがなければ今年は三百七十万人台も夢ではなくなってきた。 《関連》沖縄線運賃引き下げの背景航空各社は一斉に七月〜九月(上期)までの沖縄線の運賃引き下げを運輸省に届け出た。沖縄振興策の一環で空港使用料などが引き下げられ、標準原価とジェット特別料金が下がったため。各社の運賃は表の通り。■財政出動で初めて実現 【解説】 沖縄線の値下げは運輸省が七十億円の予算を組んで実施された。東京線で往復八千円下がる。値下げされるのはノーマル運賃で、連動して最大五〇%割引となる各種営業割引運賃も下がる。 一方、旅行商品への影響だが、すでに旅行社への卸売価格は競争が激化し、限界に達しており、数百円前後の値下げにとどまるとの見方が有力だ。 東京では大手旅行社も参入して格安チケットの販売が定着、モニターツアーで沖縄二泊三日二万八千円の旅行商品が常識となった。この価格は沖縄線に限らず北海道・九州でも同様の傾向で、北海道二泊三日二万五千円などが代表的なモニター価格だ。沖縄線運賃は八五%引き、という実態もあるという。 この結果、これまで旅行商品に占める航空運賃は七割前後といわれてきた構成比が大きく崩れ、六割、五割まで運賃部分が縮小してきた。 運賃値下げの勢いは旅行商品で特に顕著で、航空各社が傘下のホールセラーを通じて、または、直接、モニターツアーと銘打った格安旅行パッケージを旅行社に卸している。このため、大都市圏を中心に格安ツアーの情報が浸透し、もはや運賃(ツアー価格)は自由競争そのものに近づいているともいえる。 解禁されたコンビニでの旅行販売など価格引き下げ圧力は強力で、もし反転値上げという局面が出てくると市場の反発も予想される微妙な状況となってきた。 このような状況での沖縄線新運賃は旅行商品への影響より、航空会社が支払う公租効果の減額によって、航空会社の負担が軽減されるという意味である。支払う必要がなくなった公租効果は即会社の純益となる。結果、沖縄線の利益率が大幅に改善されることになり、七十億円の特別措置を各社がシェアに応じて分ける、という単純計算である。 赤字基調の航空各社はこの措置によって黒字転換するところも出てくるものと見られる。搭乗者数が同じなら沖縄線を運航した方がよいという予想以上の効果が、沖縄線開設ラッシュとなってすでに表れている。。 沖縄線の増便が一層進むと現状のモニターツアー価格が定着し、一段の値下げ局面も出てくる。旅客数はツアー料金に直結するから、下期以降の観光客数はかなりの増加が見込まれる。(渡久地明)
| ▲ | ▼ | INDEX | HOME | マンスリー沖縄電子出版開始画期的な情報伝達ツールとして英語圏でスタンダードとなっているPDF変換ソフト・アドビアクロバット日本語版が五月九日発売されたが、製品版の中にOCVBが発行している「マンスリーオキナワ」がサンプルとして収録された。 アドビシステムズ社によると、「観光推進団体がPDFで情報を発信するのは日本で初めて」のケースで他への波及を期待してサンプル収録したという。 PDF(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)はアドビ社が提唱・開発した新技術で、電子出版と訳される。紙出版そのものの体裁を強力な圧縮をかけて電子媒体に記録するもの。 マンスリーオキナワは観光客向けの月刊紙で、毎号二万部を印刷しているが、フルデジタルで制作しているため、PDFに簡単に変換できる。 PDFデータはページメーカーでつくった印刷データの数十分の一に圧縮されており、例えばマンスリーオキナワ五月号はわずか一メガ前後と軽い。インターネットでの配布が可能となり、沖縄観光速報社は五月十日からwww上でマンスリーオキナワの配布を開始した。発売翌日のアクロバットデータの配布であり、文字どおり 日本初を実現した。 沖縄観光速報社のホームページにあるアクロバットデータは毎日三十件以上のリクエストがあり人気は上々だ。アドビ社がリンクを張り、NTT沖縄支店もサーバーにマンスリーオキナワを取り込むなど次第に協力態勢が整ってきた。 PDFデータをパソコンで開くには無償で配布されているアドビアクロバットリーダーが必要で、アドビ社のホームページからダウンロードできるほか、今後、雑誌の付録CDなどにも収録される予定。 ■アドビアクロバット 文書をPDFに変換するアクロバットディスティラー、変換したPDFを編集するアクロバットエクスチェンジ、PDFを開くためのアクロバットリーダーから構成され、定価三万九千八百円。リーダーは無償で配布されている。 パソコンで制作したあらゆる文書をプリンターでプリントするのと同じ操作でPDFに変換する。これをwwwに乗せればHTMLを組む必要がなくなる。 PDFにはURLを埋め込んで他のサイトとリンクを張ることができ、動画や音声を張り付けることもできる。 紙出版とインターネットを結びつける画期的なソフトで、紙出版の限界を大きく踏み越えた新しいパブリッシングに示唆を与えるものとなっている。 《関連》マルチメディア構想 パブリッシングに特化しては沖縄振興策の大きな目玉としてマルチメディア構想が注目されている。しかし、マルチメディア構想の中身については曖昧だ。明らかになっているのはインフラの整備だが、整備された環境に花を咲かせるのは企業との姿勢だ。最近各種のマルチメディア協議会ができているが、イマイチなかみが見えない。そこで、大胆にパブリッシングに特化したマルチメディア構想を提案したい。 もちろん、@行政サービスの合理化A観光情報の提供B医療分野への応用C教育現場での活用Dコンピュータソフト開発会社の誘致Eリゾート&リサーチタイプの企業誘致Fコンテンツ制作企業の創出…などは常識的に大きな可能性がある。 簡単に触れると、行政サービスの合理化で県庁や市役所の職員は半減できるだろう。サービスを受ける側のコストも、例えば半日がかりで印鑑証明や住民票を集めていたのが、インターネットで瞬時にとれるとなるとコストは百分の一以下に下がる。 観光情報についてはこれまで何度も述べたように、マルチメディアを使った旅行販売が人気を博するようになるだろう。OCVBなどが中心になって実現されるものと見られる。 医療分野は遠隔医療が中心になるが、医療情報の地域への提供という面で大きな力を発揮するだろう。 教育は例えば大学が論文をすべてインターネットで公表するようになれば国民全体の教育水準が高まるだろう。 ソフト会社の誘致、リゾート&リサーチ企業の誘致については、マルチメディアアイランド構想の最終型であろう。 コンテンツ制作企業の創出については郵政省のマルチメディア特区構想に明記されている。コンテンツ制作とはインターネットのホームページを作ったりCDその他のマルチメディアタイトルの制作が含まれる。 最も有望で実力も伴っている業種はパブリッシングである。そのなかみはグラフィックデザイン、広告業、電子出版などである。もし、一人分の人件費以上を印刷物に使っている企業があれば充分マルチメディア化のメリットがあるので、その企業も当然関連する。まとめてパブリッシング企業として取り扱う。 県内の印刷業はすでにかなりのところが作業のコンピュータ化を実現している。しかもコンピュータ化の程度は日本平均を上回っている(公庫レポート第三十七号)。これを利用しない手はない。 印刷業がどこをコンピュータ化しているかというと、プリプレスと呼ばれる部門である。 印刷は本質的に紙にインクを塗る仕事であり、この部門は機械化の進展で個々の企業による優劣はつけにくい状態になっている。この部門をポストプレスと呼ぶ。 問題は何をどのように印刷するかというプリプレス部門である。この部門はデザイナーやライター、カメラマン、編集者の質によって全く異なる結果となる部分であり、最も創造的な分野である。 現在、この部門のコンピュータ化が急速に進み、大幅なコストダウンと時間の節約が可能となった。 ここではワープロで文章を書き、ページレイアウトソフトで編集し、グラフィックデザイナーはマウスやタブレットでイラストを描いている。写真はカメラマンが撮影したものを高性能スキャナーでデジタル化し、パソコン画面に取り込む。一部カメラマンは最初からデジタルカメラを使う者があり、スキャナーでの読み取りも不要だ。 プリプレス部門はこのような作業を日常やっているため、コンピュータにはよく慣れている。というより、いまのパソコン雑誌のソフトウェア製品レビューを見ると、ほとんどがプリプレス関連であり、プリプレスで得られたデータはそのままインターネットで使えるほか、インターネット上では紙出版でできなかった音声や画像を付加することができる。 「プリプレスデータをマルチメディアに二次利用するのではなく、マルチメディアコンテンツを印刷に流用すべき」というコンセプトがパブリッシング業界では注目されているほどだ。このように、マルチメディアの主流はDTP(パソコンを使った印刷・出版)界である、という認識がこの分野の先進国・アメリカにはある。 印刷・出版分野での大きな可能性に最近発売されたばかりのアドビアクロバットという革命的なソフトの存在がある。これは、どのワープロ原稿やページレイアウトソフトで作られた印刷データでもPDF(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)ファイルに変換するソフトである。PDFデータはウィンドウズやマックOSのどのコンピュータでも開くことができ、強力な圧縮がかかるためインターネットへの親和性も高い。 開発元のアドビ社は、近い将来、印刷原稿のやりとりはより進化したPDFデータを使うようになる、と予想している。 この結果、プリプレス部門が一層強化される。いわば印刷機を持たない印刷会社が成り立つようになり、ポストプレスは純粋に経費だけを念頭に外国・国内の企業を使い分ければいいということになる。印刷原稿はインターネットで瞬時に世界中の印刷会社に転送できるからだ。出来上がった印刷物の輸送コストも国際線の方が安くつく可能性が大きい。 また、評価されたプリプレス会社は東京その他からの受注をとれるようになる。筆者の直観では沖縄のプリプレス費用は東京の半額以下である。一定水準以上のデザイナーならいくらでもインターネットで受注をとることが可能だ。この恩恵を受けるのはグラフィックデザイナーであり、ユニークなライター、カメラマン、イラストレーターである。しかもこの人達は日常的にコンピュータで仕事をしており、最も時間がかかる新たな人材育成が不要である。このメリットは非常に大きい。 以上のようなことから、沖縄のマルチメディア特区で最も有望なのはデジタルプリプレスであることが理解されると思う。この分野の人材は県内には非常に多い。実はほっといても自然に伸びる分野かもしれない。マルチメディア特区構想ではこれらの人たちを集積するのではなく、技術情報の提供などで後押しするという方法が有効になるだろう。 必要なのはなこの分野の最先端技術であり、それを核にするならプリプレス技術者から大歓迎されるに違いない。(渡久地明)
| ▲▲ | ▲ | INDEX | HOME | カヌチャホテル6月29日オープン
五月十日からは試泊を繰り返し、グランドオープンに万全を期す(次号に試泊記を掲載)。 ゴルフ場は十八ホール、パー七十二のチャンピオンコース(約七千四ヤード)平成五年に完成した。 ホテルは百三十二室。赤瓦が映えるローカルカラーに満ちていて、大浦湾を望む。緑豊かな大自然、手入れの行き届きたゴルフ場と素晴らしいロケーションの中で独特のホスピタリティを提供する。料飲施設は洋食、中華、和食、串上げ、寿司、バー、バーベキューなどが完備。スポーツレジャー施設はゴルフ場、マリンスポーツ、テニスなど。ショッピングアーケードなどが完備している。 広い構内の移動にはカートを使う。電気で動くカートはエンジン音もなく、快適そのものである。 ホテルのほかにコンドミニアムは分譲オーナーズと季節限定会員制の新方式の運営を行っている。カヌチャヴィラゾーン「プルメリア」「ジャスミン」に続き、五月八日にはコンドミニアム「アゼリア」の起工式を行い白石社長のほか、工事関係者が安全祈願をした。 七月一日から九月三十日まではオープニングキャンペーンとしてシャトルバスサービスを実施する。 那覇空港到着ロビー前の観光案内所に集合、ホテルセンター棟までと、カヌチャベイホテル発、パレットくもじ前、那覇空港までをそれぞれ一日七便運行する。 オープンに先駆けてホテル体験モニターツアー(無料宿泊)とゴルフプレイ付き体験モニターツアーを募集している。 問い合わせは株式会社カヌチャベイリゾート。電話〇九八〇(五五)八八八〇、那覇営業所は〇九八(八六四)一一八四、東京支社は〇三(三四七〇)九三八八。 本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。 Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission. |