第505号(1997年7月1日号)| ▼ | ▼▼ | INDEX | HOME | 全域フリーゾーン 観光業界の意見を調査全域フリーゾーンの検討が決まった規制緩和委員会の方針を受けて、沖縄県は県内企業から幅広く意見を聞くプログラムを六月末にスタートさせた。現在のところ全域フリーゾーンについて@関税の非課税Aオープンスカイ政策の導入B法人税などの優遇措置Cノービザ制度の導入などを想定し、それぞれの項目について各企業・団体から見たメリット・デメリット、その他の意見・要望を聞いている。すでに観光関連業界からも一部意見を聞いたが、OCVBなどが詳細なアンケート調査を行う準備を進めている。 原理は自由競争 オープンスカイ政策も視野に【解説】全域フリーゾーンがどのようなものになるのか、現時点で全体像は出てきていない(調査の結果などを踏まえて組み立てる)が、実例としてあがっているのは前述の四つである。 全域フリーゾーンの検討は沖縄振興策として議論されてきた規制緩和委員会のなかで出てきた方針で、「ちまちました振興策ではホンモノにはならない。大胆な振興策があるべき」という田中直毅委員長らの考え、財界などの考えから出てきた。 これまで全国一律に行われてきた経済振興策を復帰後の沖縄に適用した際、経済発展の向かう方向や発展の程度、地理的・気候的な違い、県民性など、沖縄の全国平均とは異なる側面を無視した結果、当初、沖縄側や日本政府が意図した産業振興が実現しなかった。当初の産業振興策とは製造業を中心にしたバランスのとれた産業構造を造ることである。 ところが、ほとんど産業振興策を講じなかった観光産業が沖縄経済を牽引するほどに成長したのである。その他の産業で目立つ成長は見られなかった。 ほとんど自由放任だった観光産業が伸び、手厚い産業政策が講じられたはずの農業、工業が予定の生産額を稼ぎ出すことができなかった。二次振計終了時に計画を達成したのは観光産業と人口の増加だけだったとされる。 これについて、政府内部からも最近では沖縄の実状にあった産業振興策が計画されなかったという反省の声も聞かれるようになった。 では、どのような産業振興策が沖縄に適しているのか。そのようななかで出てきたのが「規制緩和」であり、「全域フリーゾーン」である。 全域フリーゾーンがどのようなものであるかは、前述したようにまだ良く分からないが、基本的には経済規制を取り払って、自由競争の原理に基づいた経済振興を図るというものになる。早くいえば保護・統制経済をやめて、まともな市場原理に基づく自由競争によって体力の強い、国際的な競争にも打って出ることがことができる企業群をつくろうということである。これによって経済を振興し、その過程で失業を吸収し、有能な人材を育て、豊かな沖縄をつくるということになる。 ここでは現在の復帰特別措置の延長では、新しい産業は興りえず、効果は出てこないとの現状認識が重要である。 その際、何も無法地帯をつくるといっているのではないから、例えば公害の規制、環境破壊防止の規制などが行われるのは当然である。 しかし、例えば、食品や薬品の輸入などについては、アメリカやヨーロッパなどの先進国の基準をパスしていれば、新たに厚生省の許認可を受ける必要はない、といった規制緩和・撤廃は可能である。なにしろ、復帰前の沖縄はアメリカの基準に基づいて製品を輸入し、事故はなかったからである。むしろ、厚生省の方針をやみくもに守っていると薬害エイズのようなことになり、この面でも判断の速いアメリカの基準を選択できるようにした方がよい。 実際、復帰前に当たり前に県民が食べていたコンビーフの缶詰が、復帰後、厚生省が規制している添加物が入っているため、一時輸入できなくなったことがあった。輸入業者は大量の貨物を前に、規制のない他の地域でコンビーフをさばかなければならなかった。ところが、復帰後何年か経つと、当時規制していた添加物が安全であるということになり、最近はどんどん輸入されている例がある。これでは単に復帰後の一時期、沖縄の輸入業者に損害を与えたというだけの話にしかならない。全域フリーゾーンでこんなことがあってはならない。 観光は飛躍的発展 すべての面でメリット観光産業に絞るとどのような効果が現れるのか検討したい。 基本的には「戦後何もなかった香港が、いまでは世界の金融・物流の中心になった。これと同じことが実現する」という見通しは間違いないものと思われる。 県が想定している@関税の非課税Aオープンスカイ政策の導入B法人税などの優遇措置Cノービザ制度の導入について、細かく検討しよう。 まず、関税が非課税となれば物価が下がるのは当然の結論であり、旅行観光産業にとって重要な旅行商品の価格引き下げ、滞在費用の削減を図ることができる。ストレートに入域客増加の効果となるだろう。 これによって削減された費用のかなりの部分がショッピングやエンターテイメント産業に流れるだろう。 ここで削減される費用は沖縄に到着して滞在するための基本的な費用であって、消費金額の削減にはストレートには結びつかない。われわれでも、ハワイ行きの格安旅行を血眼になって見つけだすが、目的地で使う金は別の計算をしている。これが全域フリーゾーン内で起こり、もし、海外旅行と同じ価格で海外ブランドが手にはいるということになれば、県産特産品も含めてショッピングは伸びる。また、余裕のできた小遣いを使うために、社交業界やまだまだ沖縄では少ないエンターテイメント産業に人気が集まるだろう。新生アクアパークが強力なエンターテイメントを提供する準備を進めており、実現が待たれる。 第二のオープンスカイ政策はアメリカの日本に対する要求であり、互いの空を完全な自由競争にするというものだ。基本的には運輸省はいまでも空の競争促進策を展開しているが、これを先取りするだけの話であり、沖縄での実現の可能性は高い。オープンスカイ政策はヨーロッパ、アジアでも受け入れる国が徐々に出てきており、この政策の導入は時間の問題である。 沖縄線に限ってこの制度を導入すれば、日本の旅行業界にとって大きなプラスとなる。航空各社にとっても現在の非効率な航空機の運航を改めるのに沖縄のオープンスカイ政策を活用すれば、強力な競争力を手に入れることになる。そのためには、全域フリーゾーンと同時にどうしても特別行政区の権利をも手に入れなければならない。 第三の法人税の優遇にデメリットはない。これは優遇というよりも、行財政改革によって将来当然に日本で実現すべき政策であり、その暁には日本中の法人税が下がる。もし、沖縄県自体の行革が遅れれば、最初は安いとみられた法人税も逆転割高ということになりかねない。よって、法人税は常に日本の半分である、というような歯止めが必要である。 第四のノービザについては、外国人客の増加は当然であり、デメリットはない。 沖縄県から琉球へ 名称も変更すべきまた、沖縄全域をフリーゾーンにするのではなく、一部をフリーゾーンにしてはどうかという意見もあるが、これでは旅行観光産業にとってはマイナスである。フリーゾーン内部だけにショッピングビジネスなどが集中して、入り損ねた事業所の間で不満が高まる。 那覇のフリーゾーンの失敗の要因の一部もここにある。フリーゾーンができるまではマスコミ各社が推進したが、できあがって実際の企業が入居すると、報道は影を潜めた。フリーゾーンをつくることそのものは沖縄のためという使命感があったが、できあがって二十七の生身の企業が入居すると、二十七社のために紙面を割くわけには行かないという理屈のようだ。 入居しなかった企業、例えばリウボウの故宮里辰彦社長は、フリーゾーン那覇地区でのショッピングは認められない、ゾーンの内外で不公平が発生するからだ、と新聞に投書してフリーゾーンのショッピング機能を批判した。東大卒、超優良企業の社長でもゾーン内外での利害に強く反発したのである。仮に、沖縄本島のどこかがフリーゾーンということになれば、それにもれた他の地域の反発は宮里社長のそれとは比較にならないだろう。フリーゾーンは全域をカバーするものでなければ魅力は半減し、県内に新たな紛争のタネを生むだけである。 このように見ると、県が挙げたいくつかの要件は旅行観光産業にとってプラス要因以外は見つからないのである。かといってグァムと同じではないかといわれれば、そのようでもある。したがって、ここに挙げた例よりもさらに多くの細かい規制を緩和・撤廃することが望ましい。 実は観光地としての沖縄の魅力は単に安い、ショッピングができる、というものだけで評価するわけにはいかないのである。西海岸にホテルが増え、マリンレジャーメニューが充実し、さらに日本人の休暇の過ごし方が駆け足旅行型からリゾートライフ型に変革する過程で沖縄観光も成長してきた。今後もその成長を続けるには、リゾート地としての沖縄の一層の充実が不可欠であり、外国人観光客も次第に日本人と同じようなリゾートスタイルを求めるようになっていくであろう。 これらの人たちを集客するには、どうしてもリゾート地そのものの魅力を一段と高めることが必要であり、全域フリーゾーンとそれによる価格低下は必要条件であっても十分条件とは言えない。 もし旅行業法で自由競争を阻む規制があれば、ぜひとも沖縄にとって都合がいいものに改めるべきである。ホテル、バス、タクシーなどの業界も同様だ。都合のいいように改めるというのは、理想的な自由競争状態に近づけていくということであって、「需給調整が廃止されると、多くのタクシー会社は損害を被るので反対である」といったものであってはならない。 投資誘致の観点からは、軍用地料によって高値安定が保たれている沖縄の土地価格の問題などにも踏み込まなければならないだろう。土地がこれほど高くては、新たなリゾート投資は起こりにくい。 締めくくりに重要な提案をしたい。全域フリーゾーン導入と同時に沖縄県という名称も変更すべきである。 「沖縄県」という名称は国際紛争のタネなのである。尖閣列島の問題もあるからだが、基本的に台湾と中国、日本にとって沖縄の国境がどこまでなのか見解の相違があるのである。琉球ならば余計な問題は起こらない。本紙・渡久地明
| ▲ | ▼ | INDEX | HOME | 観光振興議員連盟旗揚げ 嘉数昇明氏らが呼びかけ沖縄県議会内に超党派の「観光産業振興議員連盟」が設立される。七月九日に設立総会を開き、このあと、観光関係団体、観光関係者を交えて懇親会を開く。 議員連盟設立を呼びかけたのは嘉数昇明(自民党)、大城秀昭(結いの会)、玉城義和(社民党)、渡久地健(自民党)、平良長政(社会党)、糸数慶子(社大党)、具志孝助(新進党)の各氏で、ほかにも趣旨に賛同する議員が参加するものと見られる。 沖縄の観光産業が総合産業として経済及び雇用効果の面から基幹的役割を果たしていることを高く評価し、党派を超えて観光産業の振興と地域活性化を促進することを目的に設立することになったもの。 当日は設立総会後、午後六時から県議会四階の執行部控え室で懇親会を開く。
| ▲▲ | ▲ | INDEX | HOME | ゆうパックで県産品を送ろう 喜屋武商店がキャンペーン泡盛の総合卸販売会社・喜屋武商店(本社那覇市)は七月中行われる沖縄県「県産品推奨月間」に協賛して「県産品をゆうパックで」特別キャンペーンを実施している。 キャンペーンの後援企画に沖縄県酒造組合連合会、タイアップに那覇中央郵便局があたっている。 泡盛を中心に県産の食品、珍味類を配したギフトになっていて、県内はもとより、県外にもゆうパックで贈ろうというもの。 オリジナルギフトセットは久米仙古酒セット(特別価格五千九百円)、古酒瑞穂セット(特別価格五千四百円)など泡盛と県産品を組み合わせたセット合計七点を揃えている。 オリオンビールセットでは黒生ビールなど七点、県産品セットでは泡盛、スモークドビーフ、モズクを詰め合わせたセット七点、珍味・銘菓ギフトセットは三点準備している。 圧巻は泡盛で県内四十八酒造所のうち四十六酒造所の協力を得て、それぞれ自慢の泡盛を集め「こだわりギフト」として用意している。いずれも一升瓶入りの泡盛で選ぶ楽しさがある。 このように県産の泡盛を集めたキャンペーンは滅多にないこと。泡盛を全国に知らせるいいチャンスでもある。 このキャンペーンは旧盆(今年は八月十七日)に合わせて企画した。送りたい品物を選び、郵便局に備え付けの「沖縄版単独チラシ専用申込書」で申し込むと旧盆に間に合わせて相手先に配達される。 受付は七月一日から八月八日まで(旧盆に配達を間に合わせるため)専用のパンフは郵便局にある。 問合わせは喜屋武商店、電話〇九八(八六八)五二七〇、FAX〇九八(八六一)五二九五。 本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。 Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission. |