第509号(1997年9月1日号)| ▼ | ▼▼ | INDEX | HOME | 県、全域フリーゾーンの素案承認県は九月一日、全域フリーゾーンを柱とする新たな沖縄振興策の素案を三役会議で了承した。先に規制緩和委員会(田中直毅委員長)が提出した報告書の提言を盛り込んだもので、議会や経済団体との調整を進め十一月には政府に提出、実現を要望する。(本紙・渡久地明) ■議会、経済団体などと調整 11月には国に要望 県の素案はまず、思い切った産業振興策と県民生活の向上を図るために全県フリーゾーンを展開する、という基本的考えを示しその上で二〇〇一年の全県フリーゾーンの創設を始め、空・海港の整備など関連施策を一体的に推進する。 具体的施策として、全県フリーゾーンの創設、投資減税など税制及び金融などの特例措置、運輸関連の規制緩和・関連インフラ整備の推進など関連施策を進めることなどが明記されている。規制緩和委員会の報告には盛り込まれず、県内経済界からの要望が強かった法人税率の軽減についても取り込み、現行の三七・五%から三〇%に軽減し、国内外の企業立地と企業の活性化を図る、とした。 実現に向けて新しい通関システムの構築、二〇〇一年の全県フリーゾーンの導入前に税制の特例などを先行実施する。 また、実施に向けた対応策として、@県内の製造業や農林水産業と競合する関税免除の原料や製品・農林水産物の輸入により県内産業に大きく影響を及ぼすと想定される品目については、関税免除の対象外とするA県内の既存企業で、全県フリーゾーンの導入によって大きな影響を受け、体質強化を図ることが必要とされるか特定の事業転換を行った場合は低利融資や助成制度で企業を支援する、という方針が示された。 さらに、当面実施する項目として平成十年からは現行のフリーゾーンの拡大や中城湾港への展開、サブゾーンの指定を行い、その中で@関税の課税選択制の導入A輸入割当・関税割当制度の撤廃など輸入の自由化B域内消費にかかわる内国消費税の免除C沖縄開発庁の事業認定・地区税関の保税許可を要するなど仕組みの簡素化を図ることも明記している。 ■2001年導入、できるものは先行実施 【解説】全域フリーゾーンの導入決定で新たな沖縄の産業振興策が実現に向けて動き出した。特に県素案は実現できるものは来年度から現行のフリーゾーンやサブゾーンを指定して実施し、投資減税についても二〇〇一年を待たず、すぐにでも実施するとしているのが注目される。この結果、例えば、アクアポリスへの台湾国民党グループの出資などが投資減税の対象となろう。また、消費にかかわる内国消費税の免除は免税ショップやレストランのあり方に影響を与えるもので、早くもサブゾーン指定に向けた動きがある。 これまで県内経済団体などで異論があった全県か部分フリーゾーンかの議論は、全県がすんなり通った。仮にフリーゾーンを那覇市内と限った場合、例えば那覇市内の泡盛製造業者が免税で原料を仕入れ、それ以外の工場ではこれまで通りの原料費を支払わなければならない、となると大きな不公平が広まるという結論である。 また、農業団体が、農産物が打撃を受けるとして反対している点については、農業関連の法律で現在さとうきびなど一部品目が保護されているのであり、従来通りの保護を今後も続けるという考えだ。農業保護に関しては基本的に、日本全体の規制緩和策の中で議論される筋合いのものである。 フリーゾーンの導入は空・海港の整備など関連インフラ整備を必要とする産業振興策であり、ハード的には那覇空港の沖合展開、大深度港湾の整備などが平行して進められる。 一方、輸入税の免除による県民負担の軽減は五百億円前後と試算されている。この中には年間約六十億円の関税とは別に通関時に税関がまとめて徴収している石油関連の特別税、消費税などが含まれ、県民にとってはガソリンの値下げ、電力料金の値下げなどにつながり、コストが削減される。現在、高率の関税が適用されている牛肉なども安くなり、物価の引き下げ要因となる。これよって新たな消費が県内で起こり、景気の拡大につながる。 一部懸念がある海外の労働力の流入についても、フリーゾーンとは別の法律によって国内での就労が禁止・規制されており、懸念にはおよばない。 ■観光業界は大歓迎 県とOCVBは八月二十八日、観光関連企業四十三社(五十二人)を集めて全県自由貿易地域制度導入にともなう説明会を東町会館で開いた。説明会では規制緩和委員会の報告書と先に観光業界を対象に行ったFTZに関するアンケート調査結果を報告、意見交換に入った。 観光業界のアンケート調査では七割が全県FTZ歓迎という結果で、この日の説明会でも否定的な意見は特になく、「海外からのホテル投資で競争が激化、旅客の奪い合いになる」「新規企業に投資減税が適用されるが、既存企業のメリットが少ない」などの懸念が表明されるにとどまった。 業界の大勢は、県案を一層拡大して推し進めるべきという積極派が多く「オープンスカイは大賛成だが、既存の空港をさらに拡充すべき」「香港・中国・シンガポールと同じ土俵で競争できるよう(諸条件を)整備して欲しい」「観光産業をコアとした二十一世紀の経済政策を展開すべき」「国際化は避けられず、観光産業の切り口から全県FTZを構築すべ き」といった意見が主流となった。
OCVBはこれらの意見をとりまとめ、県案に反映させるよう県観光振興課に働きかける。
| ▲ | ▼ | INDEX | HOME | 航空各社 夏休みは好調 航空各社は夏休み(七月十九日〜八月十八日)の輸送実績をまとめた。各社とも好調で、沖縄線は台風のため上り便のピーク(十七日)が十八日以降にずれ込みマイナス要因となったが、前年実績を上回る結果となった。
日航は国内全線の旅客数が七・九%増、利用率七三・一%。日本発国際線旅客数は一・〇%減、利用率七九・四%となった。
沖縄線は一・三%増、利用率七九・七%とわずかに伸びた。
全日空は国内全線の旅客数が四・〇%増、利用率七四・三%。日本発国際線旅客数は一七・九%増、利用率六九・六%だった。
沖縄線旅客数は九・三%増、利用率八〇・四%と好調。
JAS沖縄線旅客数は一九・七%増と極めて好調。提供席数も二一・六%増と拡大、利用率は東京線が八五・四%、大阪が七七・四%だった。
JTAは全線の旅客数が七・五%増と好調。利用率は七一・七%だった。
このうち県外線旅客数は二二・九%増、利用率七五・三%と極めて好調。
県内線は二・二%増、利用率七〇・三%となった。
ANKは国内全線の旅客数が五・七%増、利用率は六九・〇%。日本発国際線は一二・〇%減、利用率六〇・〇%。
沖縄線は名古屋=石垣全増(三千七百三十人)、関西=宮古一四・九%減、高松四・四%増、福岡=宮古全増(千百八十人)、福岡=石垣全増(六千九百八十八人)、長崎一九・七%減、宮崎二・三%減、鹿児島三・九%減、奄美四・九%減。県内線は宮古二四・三%減、石垣九・九%減、宮古=石垣全増(三百八十六人)となった。
RACは提供席数の大幅増加に伴い全線で旅客数が四三・六%増、利用率七〇・一%極めて好調。
| ▲▲ | ▲ | INDEX | HOME | 沖縄市観光協会 スポーツコンベンションに活路沖縄市観光協会は今年六月から、沖縄市の中心街に移転した。新事務所は胡屋バス停前で、琉銀沖縄支店のすぐそばである。訪れる人も多くなり、観光協会の機能である「案内」「相談」の対応も飛躍的に向上した。 会長の玉山憲栄氏は会長就任三期目で通算五年になる。元コザ市助役を務め、行政経験は豊富。沖縄市東部海浜開発推進協議会の会長、沖縄市空港通り再開発会長、沖縄市社会福祉協議会副会長など要職を務めている。テキパキとした話しぶりは説得力がある。 東部海浜開発は沖縄市の東海岸、泡瀬地区の海岸を再開発しようというもので、津堅島程の大きさの出島をつくり、ホテル、ビーチ、スポーツ施設、マリーナ、客船埠頭、野鳥園、海洋療法センター、コンドミニアム、ショッピングモールなどをつくる。総面積は約百八十五ヘクタールで、現在、水面使用許可を手続き中。総工費六百億円を要する大工事で、完成すれば沖縄観光に画期的な貢献をする。 玉山会長は「手続きなどで五、六年は遅れた。今、完成しておれば沖縄観光に大きな貢献をしただろう」と遅れを残念がる。 一方で沖縄市が「スポーツコンベンション」で成功を収めていることについて「沖縄市には収容力の小さい宿泊施設が多く、スポーツコンベンションには最適である」とスポーツコンベンションに力を入れたことを「正解」だったと振り返る。 西海岸に宿泊した観光客を沖縄市に誘致する「シャトルバス」の構想については「検討したが事業主体が不明確ですぐに手を付けるわけにはいかなった。もう少し話しを煮詰めていきたい」という。 やはり協会の自己財源の確保が課題である。崎浜事務局長は「会員が百三十人前後を中心に増えたり減ったりしているが、どういうメリットを提供していくかが問われている」と率直に悩みを語った。だが、今年のエイサー祭りには香港のスターテレビが取材におとずれ、近く本土のテレビ局も沖縄市を題材にした番組を企画するなど観光協会を通じて企画を進めており、協会会員に加入するのはそれなりにプラスになっていると強調する。 専務の城田世市氏は前に沖縄市の観光課長をつとめ、五年前に専務として派遣された。 玉山会長は「沖縄市の観光課も協会とともに観光事業に積極的に取り組もうという姿勢で心強い」という。 会長や崎浜秀嗣事務局長に将来の夢を聞くと「異口同音」に中の町の再開発をあげた。ここに大型ホテルやエイサー会館、さらに「戦後沖縄資料館」を建設したいという。特に「資料館」は沖縄県民としても是非建設したい意議のあるのものだ。今後の沖縄市民の取り組みが注目される。県民も建設に賛成するはず。コンセンサスも得易いだろう。 沖縄市観光協会は沖縄市中央一の二の十二、電話〇九八(九三七)八七三五。 本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。 Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission. |