第511号(1997年10月1日号)


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バス不足、解消に向かう 新会社12月に認可

 バス不足が問題化しているおり、総合事務局陸運課は新しいバス会社を十二月中には認可することになった。新会社の認可は二十四年ぶりのことである。既存バス会社も増車を申請しており、沖縄本島のバス不足は解消に向かう。

■既存社も増車申請 新会社認可は24年ぶり

 新バス会社の設立認可をしたのは、沖縄本島北部の名護市に本社を持つ「北部観光バス」、本島南部に本社を置く「大東交通」、石垣市に本社を持つ「平田運輸」の三社。

 北部観光は大型二十台、小型五台、合計二十五台。大東交通は小型五台。石垣の平田運輸は大型三台、中型七台、小型五台の合計十五台。

 運輸部ではバスの認可枠を本島大型三十五台、中型四台、宮古大型三台、石垣三台としている。

 既存会社も増車を申請しており、本島では琉球、那覇交通、沖縄バス、中部観光バスの四社が合計二十台を申請している。(東陽バスは申請なし)石垣では東バスが二台申請、宮古では既存バス会社が四台申請している。

 認可してから四カ月以内に運行することになっているので、遅くても来年四月には新しいバスが走ることになる。

 沖縄本島で新会社が設立、認可されるのは昭和四十八年十二月の中部観光バス以来二十四年ぶり。また石垣では小浜島の小浜交通に今年七台認可して以来のこと。

 バスは沖縄の陸上交通を担う重要な事業で特に観光面では団体客を輸送する唯一の交通機関。増え続ける観光客にバス台数が追いつかず、旅行社からはバス不足が指摘されていた。

 トップシーズンには県内の小中高校の遠足、老人会、婦人会、さらにコンベンション、スポーツなど団体利用の需要とも重なってバス不足が深刻な問題となっていた。バスの需要はピークとオフとの波動が大きく、経営面にも大きなしわ寄せをし、バス会社の経営面の困難さも指摘されていた。

 最近になって観光需要も平準化が進み、以前ほどの落差はなくなっていた。加えて北部へのジェットフォイルの運航、石垣への本土各地からの直行便の就航など需要も増大したため増車の声が一段と高まっていた。


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下期も好調維持 OCVB東京事務所がレポート

 OCVB東京事務所は下期の沖縄観光動向調査をまとめた。航空各社、旅行大手の十一社十二部門にヒアリングしたもので、各社とも下期の沖縄は好調との見通しだ。反面、修旅シーズンにバスがとれないなどの問題も出ている。

■団体席がとれない 好調要因は旅行費用低下

 航空会社はA社が全般的に国内は好調、その要因として旅行代金の割安感を挙げている。二、三月はホテルがとれない状況で、特に石垣・西表については苦情が出るほどという。

 B航空も沖縄だけでなく全般的に観光客が増えている。プラス要因として連休パターンが悪かったので、海外より国内旅行に振り替えた人が多いのではないかと見ている。

 C航空は花巻=沖縄線の開設で東北エリアでの沖縄キャンペーンを十一月まで実施している。輸送力強化と安い旅行商品が増えたことをプラス要因と分析している。

 D航空は九州=沖縄路線が主力であり、九州からの集客に力を入れている。期間を限定しないで九州発沖縄キャンペーン、大阪発宮古島キャンペーンを展開する方針。沖縄のプラス要因は旅行費用が安くなり、いままで一、二回だった遠方への旅行が二、三回できるようになり、一人当たりの旅行回数が増えたからではないかと分析している。

 旅行社のうちE社国内旅行企画部は上期にロングステイ(六泊七日)が好調であり、下期も引き続き力を入れる。十月末〜十二月初めにかけてはスポレク、修旅で輸送、宿泊がきつく、パッケージ商品は売りづらい、団体周遊型ツアーは設定中止もあるという。好調要因は@商品内容を変えずに販売価格を下げることができたA沖縄旅行の費用は安いというイメージが出てきたB離島が売りやすくなったC久米島もジェット機の就航で増えるだろう、と見ている。

 E社団体企画販売は団体グループの長期滞在ツアー(七泊〜十四泊)でクリニックセミナー、文化セミナーなどを組み込んだ商品を開発。大型インセンティブも決定した。十二月〜三月の沖縄キャンペーンで一万五千人の集客目標を設定している。好調の要因は「海外旅行が各社とも安売りしているため、利益が少なく、国内へ誘導したのではない

か」「海外は需要は高いが、海外事情、事故の影響などで旅行環境が悪い」と見ている。

 F旅行は十、十一月は修旅の影響でバスが確保できず、個人出発型については影響は少ないが、団体の販売が落ちている。好調要因は、@沖縄・北海道ともに低価格商品が市場に多く出たA新路線開設や増便があり航空会社が力を入れた点を挙げている。

 G旅行は周遊型を中心に予約は好調。しかし、十、十一月は修旅でバスの確保が困難で一般団体の伸びは期待できない。料金が同程度のグァムへの振り替えもある、という。十二月〜二月は宮古など離島が順調。好調要因は海外客が国内に目を向けたのではないか、GWの日程が悪かったので海外より国内に回ったのではないかと見ている。

 H旅行は、秋口は厳しい状況。しかし企画・団体商品で七月以降航空券、JR、団体が苦戦しているなかで、沖縄は伸びているという。好調要因は不明だが、九州、グァム、サイパンが悪く、沖縄、北海道は好調だ。

 I旅行は十、十一月は修旅とスポレクで航空、ホテル、特にバスが確保できない。今後は個人旅行のフリータイム型が増えるとみている。沖縄の好調要因として「各施設でオリジナリティー(他の施設にはなく自分の施設にある、体験できる)を出して熱心に誘客している成果」と分析。低価格商品が多く出たこともプラス要因とした。

 航空会社系J旅行は商品の特徴が個人出発型であり、修旅シーズンも影響は少ない。好調要因は大手旅行社の低価格販売の力が大きいとした。

 航空会社系K旅行は下期の目玉素材がなく、商品造成が苦しいが「ゆとり」「リフレッシュ」を主体とした付加価値商品を前面に打ち出す。具体的には周遊型出発日限定の現地添乗員付特別仕様バスを利用、琉球村でのシーサーづくり、ナゴパラダイスでの押し花プレートづくりやホテルでゴーヤーチャンプルーづくりなどで他のツアーとの差別化を図る。好調要因は旅行費用が安くなり、各観光地の受入施設(特にホテル)が充実したから、と分析している。

■イベント情報を早く提供して欲しい

 動向調査ではこのほかの項目も設定して意見を聞いている。その中で早朝・深夜便の影響については、空港近隣の個人旅行にはプラスとなるが、それ以外は前泊・後泊が必要となり商品化はしにくいという声が多い。

 また、七月からの運賃低減は従来から団体には大きな割引があり、ツアー価格に反映できたのはわずかというところが多い。しかし、運賃低減のイメージは相当に市場に行き渡り、プラス要因と見るところが多い。

 コンビニでの旅行販売については、「一万円程度の商品販売が主流ではないか」「旅行窓口での相談を親切にやっており、コンビニではそれができない」と疑問視するところが多い。反面、二十四時間利用できる、将来はインターネットに進化するだろう、との見方もある。

 最後に沖縄県への要望を聞いたところ「県民が観光意識を持って、観光地や自宅周辺をきれいにしなければならない」(A航空)、「類似の割引クーポンが多く、今後は無駄を省いて共同開発できないか」(B航空)、「大琉球まつり王国などイベント情報を早く提供して欲しい」(C航空)、「今回のスポレク開催は一般団体や修旅の多い時期で、バスやホテルの手配が困難と旅行社が頭をかかえている。今後は大型イベント開催誘致には時期的な考慮も欲しい」(D航空)がある。

 旅行社は「リゾートホテル共通のミールクーポンの発行」「恩納村のリゾートを結ぶシャトルバスの運行」「大琉球まつり王国の情報提供が遅く、下期パンフに掲載できなかった。GW前には企画書を出して欲しい」などを各社とも要望している。また、「海外のリゾートと比較してホテル内の施設は充実してきているが、プールが貧弱である。一日中プールやプール周辺で過ごせるような充実したプールづくり」(J旅行)を要望するところもあった。


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空港=首里城直行バス廃止

 空港首里城線が七月二十日から廃止になった。平成四年の首里城落成に合わせて華々しくデビューした路線だったが、乗客は少なく、ついに廃止に追い込まれた。

■PR不足で利用者少なく

 首里城線は那覇交通が運行。竜頭をバス正面にデザインした専用バスを空港から一時間に一本走らせていた。収益が上がらない採算割れ路線なら、廃止は当然の決断であろう。

 ところが、路線廃止のあり方を巡って観光業界でも話題になっている。

 廃止になったことを知らなかった、という業界関係者も多いのだ。

 那覇交通によると「規定によって、廃止一週間前から停留所やバスの車内にお知らせを掲示した」。また、首里城などには廃止する旨の通知が行われ、旅行業者にも通知があったという。

 しかし、記者発表があったわけではなく、肝心の県民や観光客には知らされなかった。県内のある通信社の支局長は「赴任して半年、首里城へ行ってみようとバス停で一時間待ったが来ない。どうなってるんですか」。「廃止になってますよ」と九月に入って本紙記者とのふとした雑談があるまで気がつかなかった。

 別の業界人も「え。そんなの知らないよ。路線をつくってPRもしないで、お客さんがいないから廃止では、航空会社だったら考えられない。廃止のお知らせもなかったんですか」という。

 困るのはガイドブックなどに記載されているバス路線だ。単行本になっているガイドブックはいったん制作するとときどき改訂するが、改訂作業は年に一回が相場。二、三年に一回というところもある。その改訂作業では必ずしも情報がすべて更新されるわけでもない。作業者が気がついたことだけが改定される。新聞発表その他がなかった場合、気がつかないで来年以降も首里城への足としてそのまま掲載されることもあり得る。筆者自身も九月末にOCVBの職員から知らされるまで、廃止を知らなかった。

 空港首里城線は首里城落成にあわせてデビュー。テープカットで那覇交通幹部は「末永く運行できる路線に育てたい」と述べた。

 乗客第一号は本紙記者だった。テープカットを取材し、出発するバスの映像を撮るマスコミが多い中で、第一号の乗客になろうとひらめいてバス賃を投入した。

 首里城は駐車場が少なく、なるべくバスで来場して欲しいと必死にPRしているころだった。始発の乗客は二、三で、そのうち一人は那覇交通の関係者で隣の離島線か国内線ビルでおりた。奥武山でも乗客はあまりいなかった。どうなることかと思ったが、バスはパレット前でほぼ満員。国際通りではぎゅうぎゅう詰めになった。帰りのバスはさすがに空いていたが、すれ違う空港首里城線はどれも満員でドライバーもにこにこ顔だった。

 廃止は残念だが、あらためて時期が来て復活するのを待つとしよう。(渡久地明記者)


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