第568号(2000年5月合併号)| ▼ | ▼▼ | INDEX | HOME | 肝心なことを知らせない 知事・新聞・パンフ四月二十五日付けの沖縄タイムスは朝刊社会面(二十七面)トップで「ハブクラゲ」を取り上げた。見出しは「ゆらめく猛毒」とタテ四段凸版見出しでギョットする。次ぎにヨコ見出しで「海の生命とどうかかわる、県庁でハブクラゲ対策、血清造りへ毒の解析急ぐ」と特別の扱い。 唯一の防止策である「侵入防止ネット」を設置しているビーチは二十六カ所だが、この記事ではどこのビーチが設置しているかは不明。肝心のビーチ名がないので情報提供をしたくても出来ない。つまるところ、仔細に読むとこの記事のポイントは「県庁でハブクラゲ対策の会議があった」というだけ。「だからどうなんだ」といいたくなる。記者は詳しいことは役所にきいてくれ、といいたいらしいが詳細なデータを読者に提供して初めて新聞の役目が果たせるのではないか。そのために高い購読料を払っているのだ。しかし現実にはネットを設置した安全ビーチもあるわけだから、どこどこのビーチは安全、クラゲの生態はどうか、とデータとともに報道してもらいたかった。 ☆ 「肝心のことを知らせない」で気がついたのだが次ぎに紹介するのは、四月二十八日付で発せられた「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会」(会長稲嶺恵一知事)の大会開催についての案内状だ。「記」として「議事」「会員の事例研究」「めんそーれ沖縄クリーンアップ表彰」の三つをあげている。だが「議事」はなにか、「事例研究では誰がどのような発表をするのか」「表彰はどこの誰々をするのか」肝心なことは何一つ書いてない。「出席したらわかるから出席しろ」といいたいらしいが、この案内状もタイムス同様、不親切だ。スペースがないというのだったら「別紙」一、二、三としてつけ加えることが出来る。ほんとうに会員を大事にし、県民運動を展開したいのだったら、こんな案内状は出すはずはない。稲嶺知事の公印省略としてあるから知事の決裁を得ている。 最も大事な「議事」は事前に内容を知らせてもらわないとどんな対応をすべきか、問題点はなにか、何をやったらいいのか、やろうとしているのか、真剣に討論をすることができない。少なくとも「議事」だけでも事前にその内容をきちんと知らせることが大事である。この案内は欠陥案内の見本といえる。 ☆ もう一つ指摘しておきたいのは県がつくった「気をつけよう海の危険生物」というパンフだ。 ハブクラゲを筆頭に「ウンパチイソギンチャク」「カツオノエボシ」「イモガイの仲間」「ウミヘビの仲間」「ヒョウモンダコ」「オコゼの仲間」「ラッパウニ」「ガンガゼ」の危険な海の生物をカラー写真で列挙し、生態と応急措置などを紹介している。特に被害が多いのは「ハブクラゲ」だが、ではクラゲの被害を受けないようにどうすればいいのか。侵入防止ネットを設置してあるビーチはどこか、ここにも肝心のビーチ名など県民や観光客が知りたいことが書いてない。 現在の観光客は航空機が遅れた。宿泊予定ホテルが変更になった。行程が一部変更になったと言うだけで慰謝料請求の訴訟を起こす。もしホテルの案内が間違ったことを教えてその結果、クラゲの被害を受けたら当然のことながら慰謝料を請求し、傷跡が後々まで残るようだとばく大な金額を請求されるだろう。となるとこの責任は誰がとるのか。観光案内とその責任の問題にも発展する。すでに、ある地域ではこの訴訟が起きて示談で解決した例もあるという。 「海のキケン生物についてのお問い合わせは」として県内各地の保健所名と電話番号を書いてある。例えばホテルの案内所で客が「ビーチに行きたいがどこが安全か」と聴いてきたら、このパンフを渡して「どうぞ判断して下さい」というほかない。県発行の観光要覧によると平成十年は六月から十月までに百七十八万六千九百人の観光客が来ている。もしそのうち半分が遊泳に行ったとしたら九十万人、三分の一でも六十万人、それに県民を加えたら毎月百万人くらいが海に行って危険な生物と接していることになる。その人たちにこのパンフが行き渡るほど作成されているのか。パンフ一枚で防げるほど簡単なことなのか。 前述のように客に自分で保健所に聞いてくれとは実際問題としていえないのだ。それでは不親切で、案内にならない。少なくとも土地感のない客には「侵入防止ネットを設置しているビーチ名」を別刷りでもいいからあげた方がいい。客が求めている肝心のことはこのような実用性のある「安全案内」である。 波の上ビーチ(那覇市・若狭ビーチ・タテ看板、酢あり)
それにしてもオーストリアの安全対策(別項=省略)が隅々まで行き届いていること。全くうらやましい限りである。視察報告によると医師がヘリで二十分以内に駆けつけたり、その場で従業員が血清の注射をしたり、クラゲに刺されても大丈夫なように特殊のスーツ(説明がないのでどんなものかわからない。これも知りたいのを知らせない不親切な報告書だ)の普及を図ったり、特に子供達にスーツの着用を奨励したり、沖縄よりはるかに国民のためにやっている。質の問題だろうか。オーストラリアに観光客が行く理由が良く分かる。(本紙・渡久地政夫、この欄は随時掲載します)
| ▲ | ▼ | INDEX | HOME | 観光業界に「サミット不況」の予感サミットの準備が着々と進んでいるが、七月の観光客数は特別な体制がとられるため大幅なマイナスとなる見込みだ。それを予想してサミット前後の旅客増でマイナスをカバーしようとしてきた観光業界だけに、GWの実績が大幅なマイナスとなったことから、関連業界に悲観的な声が出始めている。ハードルは二つある。サミットと新しい航空運賃制度である。(本紙・渡久地明) ■G・Wの不振が先行きを暗示 沖縄サミットでは西海岸のホテルが各国の首脳の受入先として期間中全館貸切となっている。さらに、二万人の警備体制、三〜五千人といわれるマスコミ陣によって会場周辺に一般観光客は入れなくなる。サミットは七月二十一日から二十三日までだが、西海岸リゾートでは十六日から二十四日まで貸しきりとなっているところがあり、まるまる一週間リゾート客を断らざるを得ない状況だ。 これらの条件からサミットが入域観光客に与える影響を計算すると最も楽観的に見て七月は前年比マイナス五%(表)、リゾートホテルが十六日から二十四日まで使えないことを考慮すると四万四千二百人が沖縄に入れず、七月に占める観光客のちょうど一〇%が入域出来ないことになる。リゾートホテルの企画担当者によると一〇%減でもまだ控えめな数字という。 @リゾートホテル約3,700室が貸切 3,700室×3人使用÷3泊=3,700人(1日当たり本来の観光客来沖できず) Aマスコミ3,000人が3,000室を使用するとすると 3,000室×2人使用÷3泊=2,000人(1日当たり本来の観光客来沖できず) B警備10,000人が4人部屋で宿泊すると2,500室がふさがり 2,500室×2人使用÷3泊=1,666人(1日当たり本来の観光客来沖できず) C合計 @+A+B=7,333人(1日当たり本来の観光客来沖できず)
昨年の7月は観光客月間44万人→1日平均14,193人
この影響は航空会社にストレートの反映する。JTAは減便の計画はないと断言している(もともと県外線は一日一往復の運航であり、減便のしようがない)。しかし、日航、全日空は運航しても乗客がほとんどいないという便がでてくるだろう。 警備やマスコミは実際に宿泊するので影響はやや軽いが、各国首脳と随員数百人で全館貸切となるリゾートホテルは、最ピークなのに館内はスカスカの状態になる。簡単にいえば千人宿泊しているはずのリゾート客が期間中は二百人しかおらず、しかもサミットというイベントに参加するのだからホテル内でのレジャー消費も期待できない。 このため、マリンレジャー部門を期間中休業せざるを得ないというところもある。 一方、警備陣は仮宿泊施設の利用などなるべく観光客に影響を与えない方法を取ると見られるが、一部はホテルを利用する。こちらも当然マリンレジャーなどが目的ではないから、客室は埋まっても他の売上には結びつかず、減収が見込まれる。 マスコミは波及効果が大きい。リゾート客のような行動パターンとはなりにくいが、基本的には警備や参加国随員よりも自由に振る舞うので、リゾート客としての側面が強いだろう。 各国首脳と随員、警備、マスコミが期間中の主な滞在客となって、従来のリゾート客が入る余地がないというのが、七月の状況だろう。 この影響はリゾートホテルだけでなく周辺の観光施設にも大きくでる。恩納村周辺、名護市内、本部町の観光施設は軒並み入域客減となる恐れがある。レンタカー業界によると、七月の予約は極めて少ない。 加えて期間中の交通規制がある。県警などは期間中のマイカー自粛を呼びかけているため、県内客の動きも鈍る。この際、サミット終了後の県民向けキャンペーンなどを今から企画すべきである。 沖縄を販売している旅行社は多くが十月までのトータルで前年並みの確保を目標にしている。スカイホリデーが十月までに前年並みを目標にしているが、サミットの落ち込みを考慮した結果という。 しかし、前年並みを確保するには七月を除いた十月までに毎月少なくとも数%の上乗せが必要となる。 裏目に出た? 航空会社の総需要拡大策 ところが、航空各社が発表したGWの国内線実績が大幅なマイナスとなったことから、悲観論が出始めている。七月のマイナスをカバーするためにはGWで五%以上の伸びを確保したかったところだが、沖縄線は一〇%前後の落ち込みとなった模様だ。このため、五月全体が前年並みかマイナスになることが予想される。四月も不振で前年並みかせいぜい前年比一〜二%の伸びとなった模様だ。 ■前後の販促がカギ握る
一方で、四月からの伸び悩みは新しい航空運賃制度が導入されたためだと見る向きもある。新運賃制度は航空会社の説明を見る限り基本的には総需要の拡大を目指すものである。ところが、総需要拡大の一歩手前にとどまって、航空会社の直売比率を増やしただけという可能性がある。GWの沖縄線が不振だったと述べたが、GWの不振は国内線全般に及んでおり、沖縄だけの問題ではなく全国的な何らかの共通の問題があったからであると見るべきだ。おそらく新運賃制度の影響ではないかと思われる。 新運賃制度は個人運賃に対して大幅な割引を導入しているが、これによって旅行商品を購入する旅客が航空券のみを購入するようになるとの見方があった。その場合、旅行商品の売上が減り、航空券の売上が増える。航空機の利用率は増えるが、旅行社の売上は減少するという図式だ。 GWの実績を見る限り、期間中の利用率は各社とも前年より悪化した傾向だ。これでは航空会社自身にとってもかなりのマイナスになったはずだ。 個人で航空券を買う層は増えても旅行社のお得意さんが航空券に流れる結果になるなら、総需要の拡大はあまり期待できないということになる。総需要の拡大を目指すなら運賃の設定だけでなく、総需要二倍といった目標の設定が必要であった。そのためには機材の大幅な購入計画も立てなければならない。これがないままの総需要拡大は単なるかけ声に終わる恐れがある。このため運賃体系の見直し、特に旅行会社政策を見直す必要がある。 沖縄観光の今年の年間目標は四百八十五万人(六・四%増)である。四、五、六月が前年並みにとどまり、七月が一〇%ダウンと見ると七月までの累計は一・一%増と低い伸びになり、一〜三月の貯金六・一%増を食いつぶす。その後は八月以降毎月平均一三%増を実現しなければ目標は達成できないことになる。
実際にサミット開催中のマイナスは避けられないが、沖縄のステータスが定着するなど波及効果は大きい。八月以降の毎月二桁増がムリとはいえない。課題は航空運賃制度と見るべきであろう。この点に関してはすでに六月以降団体客の動きが活発になっているとするホテルがあり、大幅な改善が見込まれる。六月から七月前半、八月以降、これまで以上にセールスを強化しなければ、好調な沖縄観光に強いブレーキがかかることを覚悟しなければならない。
| ▲▲ | ▲ | INDEX | HOME | 麩ちゃんぷるーがお土産に■沖縄特産が「持ち帰り沖縄の家庭料理」を発売
最近の観光客が沖縄の家庭料理を求めるケースが増えてきていることから、素材をコンパクトに詰め合わせ、調理方法を丁寧に解説している。 三種類のパッケージにはそれぞれ乾燥ゴーヤー、切干しパパイヤ、車麩が入っている。各パッケージ共通にポークランチョンミート、コンビーフ、沖縄の塩が入っており、食後のウッチン茶、黒糖もついている。 レシピは松本料理学院松本嘉代子院長の指導をうけ、お助け材料のモヤシや人参などをいれて沖縄の家庭料理が簡単にできるようにしている。 開発した山城社長は「沖縄の家庭料理に人気があることが分かっていたが、どうやって観光みやげにしようか考えていた。乾燥ゴーヤーが市場にでてきたことからこれなら行けると商品にした。メイン材料の車麩やゴーヤー、パパイヤ、ポーク、コンビーフは県外では手に入れにくいのでまとめてパーケージにして提供した」という。 沖縄料理の作り方やレシピについて最近の観光客の関心は高く、本紙発行の「週刊沖縄ふぁん」でも材料をどこで買ったらいいかなどの問い合わせが多い。沖縄みやげは「スーパーで薬草茶などを購入する」といった旅行客が増えていて、「沖縄の家庭料理」もヒットしている。さらに内容の充実を図って近く改良版を出す予定。すでに県内の土産品店で好調な売れ行きとなっている。一年以上保存できるのも強みだ。一パッケージで三〜四人分の分量となり、定価は千五百円。 問い合わせは沖縄特産株式会社、電話〇九八(八八六)八四七六。 本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。 Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission. |