第571号(2000年7月1日号)| ▼ | ▼▼ | INDEX | HOME | サミット前の落ち込み深刻五月の観光客数が一・五%減と減少し、六月も減少傾向、七月は大幅なマイナスが予想されることから観光業界に動揺が広がっている。四月以降七月まで四カ月連続の前年割れで三月までの「貯金」を使い果たすところが多いとの見方が広がっており、八月以降の回復に期待が集まっている。場合によっては緊急融資制度などの検討が必要になる。 ■7月の大幅減避けられない 県 キャンペーンの前倒しなど模索 サミットの前景気もあり、沖縄観光は三月まで極めて順調な伸びを見せてきた。ところが四月に前年並み、五月がマイナスとなり、六月入り後も中旬までに二・六%減、七月は大幅なマイナスが予想されている。 このため県内業界の中には大手ホテルでも手持ち資金が窮屈となり、夏のボーナス時に資金不足となるところが出そうという。サミットでリゾートホテルは各国首脳が宿泊するが、宿泊料金をめぐって提示価格より大幅な割引を求められ厳しい状態。各国から参加するマスコミも宿泊料金が高いと抗議している。このため例年より大幅な割引をホテル側は設定せざるを得ないという。 加えて多くのリゾートホテルがサミット開催前の十八日から客室を空けており、早いところは十六日から一般客を受け入れていない。期間中のマリンレジャーは休業となり大幅な売上減少は避けられない。 小規模のマリンレジャーショップも海上警備の都合でダイビング客を案内できず、ピーク時の売上減に頭を悩ませている。 レンタカー業界は七月の予約が激減。例年、夏のピーク時に向けて大量に新車を購入して増車、これが日銀那覇支店の県内景気動向を左右するほどだが、今年はこの動きがまだ見られない。期間中の交通規制でやんばるの観光施設に回るレンタカー客が大幅に減少すると見られている。 航空大手は七月十日から二十三日まで減便を行う。航空二社でこの間の席数は二万五千席の減で、昨年の搭乗実績七五%から割り出すと一万八千八百人の減少となる。 ■風評被害も大きい 8月は増席に期待 もっとも二十四日から八月一杯は逆に前年より増便し、期間中六万三千席の増となる。前年の搭乗率八五%から割り出すと五万三千五百人の増加で、マイナスをカバーできるとしている。 七月の不振はこのように明快に予想されているが、対策はあるか。県観光リゾート局の糸数局長は「政府が沖縄での国際会議開催を打ち出していること、待っていた観光客がサミット後にどっと入域する」「OCVBと組んで秋・冬の沖縄キャンペーンを前倒しで実施するなど対策を練っている」という。「八月十日に開設される上海定期便も大きい。九月以降中国人の日本への旅行が自由化され、上海など三大都市圏で一億人のマーケットが誕生する」と期待をつないでいる。 しかし不安も隠せない。「沖縄はサミットで部屋が取れず、警備の検問で自由行動が出来ないという風評被害が出ている。有珠山噴火で北海道全体が敬遠されたり、台湾の地震では台湾全体に被害が出たように思われたのと似ている。正確な情報提供が必要だ」。 四月以降のマイナスについては、例年五月末まで運航していた札幌線が三月末で運休していること、関西線が一便減便したことが挙げられる。 しかし、両路線の減便で推定されるマイナスは前年実績から九千人前後であり、全体に占める割合は二から三%程度。それまでの六%増の勢いを一気にマイナスにするほどのブレーキとはならない。 業界には四月からの航空運賃の自由化がマイナスに作用したとの見方があり、実際にGWの実績が全国的に低迷したことなどから、運賃体系の再点検は今後必要との声は強い。 運賃体系でいえば、自由化後実績を伸ばしたところと、逆に大きく実績を落としたところがあり、航空路線ごとに新運賃がプラスに働いた路線とマイナスに働いた路線がありそうだ。 さらに、Y2Kで海外を手控えていた層がGWに大挙海外旅行を楽しみ、国内が不振となったという見方もある。 ■9月、12月が厳しい
マイナスの要因分析はさておき、四カ月連続の前年割れは各方面に現実的な問題を引き起こす。八月に一段落しても「九月以降、苦しいところが出る。踏ん張っても十二月には大変厳しい状態になる」と業界関係者は冷静に事態の推移を見ている。場合によっては県などが緊急融資制度で対応することも必要になる。サミットは長期的には沖縄全体に極めて大きなプラスとなる。しかし、目の前の対応はどうしても必要だ。
| ▲ | ▼ | INDEX | HOME | 《観光客と7人の警官》 立ち往生の人に旅費を貸す「名城ビーチ近くの海岸で二時間ほど沖縄の海を満喫してレンタカーに戻ったところロックしてあった車の助手席がこじ開けられ大人のバック三個、子供のリュックサック二個がなくなっていました。このことにより子供が楽しみにしておりました玉泉洞観光及び予定していた子供への社会勉強の南部戦跡めぐりも出来なくなってしまいました。また、お土産の買い物もすべて出来なくなり、沖縄最後の日は悲惨で憤まんやるかたない最悪の日になりました。現金、航空券等のすべてを失い、那 覇市の観光やショッピングも出来ず、むなしい沖縄旅行になりました。残念でなりません」。これは本紙六月十五日号に掲載された「車上泥棒」と題した観光客の声である。だが次のような事実もある。投書した四十七歳の会社員、男性の方は是非とも以下のことを知ってほしい。沖縄には親切なお巡りさんもいるということを\ ■ポケットマネーはたき 恩納交番 車上狙いの被害者「助かった」 この親切なお巡りさんは石川警察署恩納交番勤務の七人の警官達だ。沖縄本島西海岸の恩納村は沖縄を代表するビーチリゾートである。海のシーズンには家族連れや若いグループがレンタカーでつぎつぎとやってくる。レンタカーを専門の「車上ねらい」も暗躍する。 この西海岸の治安を守っているのが恩納交番である。読谷村のはずれから恩納村を主なところに名護市の南端まで約三十キロの海岸線をふくめた地域が恩納交番の受け持ちである。毎日海岸線はもちろん、受け持ち区域をパトロールし、治安の確保に努めている。 リーダーの山里昇警部補(五十一歳)は二年前にこの交番に配置されたが、多いときは年間三十件にも達する「車上狙い」の被害届があった。届け出を受けると現場に急行し、被害の状況を聞き、被害届を受理する。そして捜査に着手するわけだが、被害者がカードも無く、現金の持ち合わせも無く立ち往生しているときは自分のポケットマネーを貸し付ける。貸し付けるのは大体五万円前後だが、後日、百%返ってくる。中には地元の特産品を送ってきてお礼をする人もいる。家族で来た人 のなかには礼状とともには子供達が一行づつ「おじさん、ありがとう」と書いてくるのもあり、「心の交流ができる」という。 昨年十二月に犯人が捕まり、約四百件の犯行を自供して以来、車上ねらいの被害届はなくなったという。それでもいつ「困った観光客が出るかも知れない」ので警察官たちは各自、いくらかの現金を用意しているという。信頼される警察官たちである。 bb被害者はどんな人たちが多いのですか。 《山里警部補》 レンタカーを使っている人が被害にあっています。車内に貴重品だとすぐ分かるように置いていると狙われるようです。 bb被害者がお金を貸しててくれと申し出るのですか。 《山里警部補》 いえ、被害者はパニックになっていて、ただ「どうしよう、どうしよう」と取り乱すだけです。そこで携帯電話で自宅に電話させ、旅費を送ってもらうよう連絡させます。どうしても連絡がつかないときに「旅費をかしてあげよう」というと落ち着いてこちらの質問にも答えられるようになります。 bb貴方の持ち合わせがないときは。 《山里警部補》 交番勤務のほかの同僚にも出してもらいまとめます。 bb返ってきますか。 《山里警部補》 ええ、もちろん。中には礼状とともに地元の特産品をお礼と言って送ってくる人もいます。 bb現金だけで無く、持ち物も取られたりするのでは。 《山里警部補》 あるケースでは現金だけとって衣類は附近の海岸にすてられているのを見付けました。泥だらけになっていましたが、このときは本署(石川署)の署員が手分けして全員で洗濯して送り届けました。全署員が不幸な目にあった被害者と向き合っているのです。 bbそれにしても皆さんのポケットマネーで用立てるというのは大変ですね、なくなるお金では無いし、しかも緊急の場合に少しの間利用するのですから、基金のようなものがあるといいですね。「観光客を救う基金」とか名付けて。それに何百万円、何千万円というのではなく、せいぜい二、三十万円もあればいいのですからね。 《山里警部補》 ええ、ちゃんと帳簿につけてね。そういうシステムができればいいですね。犯罪被害者に限って利用できるというものですね。 bbそれにしても皆さんはどういう気持ちで対処しているのでしょうか。 《山里警部補》 観光客が困っているのをみると何とかしてあげたいという気持ちになります。沖縄県民伝統の「助け合いの精神」です。犯罪は犯罪で絶滅しないといけませんが。
でも県民の一人として観光客に「沖縄を訪問して良かった」と思ってもらわないといけません。それが「沖縄にまた来たい」という気持ちにつながるのではないでしょうか。観光客と県民の心の接点はそこにあると思います。観光の目的もそうじゃありませんか。
| ▲▲ | ▲ | INDEX | HOME | 元気いっぱい八重山観光 新空港の実現に期待集まる八重山観光が元気だ。観光関係者が大きな期待を込めて見つめているのは「新石垣空港」の建設である。 新石垣空港の建設場所が「カラ岳陸上」に決まり、あとは着工まで環境調査、建設許可を待つだけなった。これまで二十数年にわたって建設場所をめぐってもめてきただけに、「建設場所」の決定は大きな出来事である。しかし、着工から完成まで十年はかかるといわれるだけに、それまでのつなぎが大事だ。観光関係者に聞くと、すでに水面下でいろいろな計画が進んでいるようでいずれも空港の完成のタイミングを見計らっているいるのではないかという。宿泊施設、旅行社など観光の中核 となる企業の進出計画が練られているようである。 八重山観光の特徴は周辺離島の目玉である竹富島、秘境西表島をはじめ、嘉弥真島、黒島、小浜島、新城島、鳩間島、波照間島、与那国島と、いずれもわが国最西端の個性豊かな島々がそろっていることである。これらが若者特有のロマン、好奇心をそそり、石垣市の都会性ともうまく織りなし、解け合って旅行者をとりこにする。石垣市からこれらの離島へのスピードボートは一日三十便にも上っている。ちなみに石垣空港への空路の便は東京、大阪をはじめ各地から一日三十便に達してい る。これらの足の便利の良さはもはや離島特有の不便さとはかけ離れ、八重山が観光目的地として確固たる地位を確立しているのである。 その証拠に昨年度の入込客は六十万人を突破した。八重山がこれまで弱点とされていたオフシーズの解消である。これまでは夏場の旅行シーズは客が多く、逆に冬場は極端に減少するというオフ・オンの落差がひどかった。しかし、昨年の記録を見ると、ピークである夏場・八月は六万千二百八十九人、春の三月には年間最高の七万三百六十九人と二つの山をつくっている。オフシーズンの十二月が四万三千六百二十四人、一月の四万六十一人となり、四、五、六月の日本では早春のころが四 万人台と不振である。また、九月と十月がいずれも四万人台である。これらを見ると八重山の入域者は沖縄全体同様、春先と秋が弱い。これは出発地の本土で春と秋の行楽シーズンにかち合い、観光客がそちらに回ったとも考えられる。年間六十万人を突破したということは月平均五人ということであり、決して少ない人数ではない。あとは春と秋への強力な誘致材料を整えることが大事であるというよう。 八重山観光協会が行った観光動向アンケート調査(毎年夏、秋、春)の三回分のまとめによると回答者の住所は関東四一・一%。性別では男女ほぼ半々。年齢別では二〇代が二二・八%、三〇代二二・三%。来島動機では一度行きたかったが一位。行った島では西表と竹富がそれぞれ三三・四%。構成は家族づれが四二・二%でトップ、個人三〇・三%、三位グループ一八・三%の順。旅行形態でもフリー、パッケージ、その他となっている。支出費用は一人平均で宿泊費三万一千六十八円が 三〇・九%でトップ、お土産品費一万六千八百八十九円(一六・八%)、マリンレジャー費一万五千六百二十九円(一五・五%)交通費一万百五十七円(一〇・一%)、遊興飲食費一万四千四百九十七円(一四・四%)、離島観光費一万二千二百八十七円(一二・二%)の順となっている。一人平均十万五百二十七円を使っている。初めての人が六四・二%、もう一度来たい四九・七%となっている。 これらを総合すると新空港を建設することで大都市圏から大型航空機で初めての人を誘致し、その人達がリピートすることで八重山観光はますます発展し、国民に大きなやすらぎを提供できる。おそらく沖縄の他の観光地が海外との競合で苦戦したとしても八重山は国内の特異な観光地として発展し続けるのではないか。あとは将来を展望した地元の知恵と熱意にかかっているといえよう。元気の源はそこにある。 本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての著作権は沖縄観光速報社に帰属します。 Copyright (c) 1996 Okinawa Kankou Sokuhousya. No reproduction or republication without permission. |