第572号(2000年7月15日号)


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サミット交通規制で苦情殺到

 沖縄サミットが近づいた。警備陣は大がかりな交通規制を行うと発表しているが、県民の間からは「情報がわからない」と不評。情報を提供する「交通道路交通情報センター」に寄せられた苦情は千件(七月七日現在)を突破している。 車社会の沖縄で二十日から二十四日までのサミット期間中は「休業を検討している」という企業も続出している。観光業界は「これでは商売にならない。早く終わってくれないか」とビジネスへの影響をぼやき、市民は「サミット中は買い物も出来ないのではないか」と生活への打撃を心配している。

 県警が発表したのはA4版の大きさの色刷りのチラシ。表の「交通規制のお知らせ」によると二十日から二十四日まで中北部方面(嘉手納町、沖縄市の一部、金武村、宜野座村、名護市のそれぞれの一部、読谷村、恩納村のほとんどの範囲)で交通規制を行う。

 二十日から二十四日までは南部方面(那覇空港から那覇市のほとんど、豊見城村、南風原町、与那原町、西原町の一部)を規制。

 裏には二十二日の南部方面の規制で「昼間」と「夕方〜夜間」と題して交通規制が頻繁に行われる道路、状況により迂回をお願いする区域、迂回道路が色分けして表示されている。

 このチラシの中に書かれている説明文を読んでみると、

 表の部分には「七月二十日(木)から七月二十四日(月)までの間、サミット開催に伴う交通規制により混雑が予想されます。このチラシに示したほか、関連行事(市町村との交流行事等)開催地への路線で交通規制があります」

 「警備のため、検問を行います。その際はご理解とご協力をお願いします」(註・検問はどのようにやるのか、身分証明書と、運転免許証の提示を求める。トランクを開ける、持ち物を検査する、座席の検査をする、などの詳しい情報は書いてない。すべてその場でしかわからない仕掛けになっている)。

 「会議場や那覇市内方向の自動車は、迂回をお願いすることがあります」。

 「規制区域については、状況により、変更する場合がありますので、テレビ・ラジオ等の交通情報を良く確認し、規制時間・区域を避けてください」。

 問い合わせ先は「交通情報のご案内 道路交通情報センター〇九八(八六六)四八四〇 沖縄県警察本部」となっている。

 そこで交通情報センターへ電話した。

 【交通情報センター】

 「チラシに書いてある『昼間』とは何時から何時までですか」

 「書いてあるとおり『昼間』です」

 「事典によると昼間は『昼間、日中』とある。日中とは『日のある間、昼間、昼、真昼、正午』である。チラシに書いてある『昼間』とはこのうちのどっちですか」

 「そうですね、人によっても昼間の解釈が違いますね」

 「具体的に何時ですか」

 「……」

 「夕方とは何時から、何時までのことですか」

 「……」

 「事典によると夕方とは『日のくれがた、夕刻、夕暮れ』となっている(註・七月十三日の沖縄の日の入りは午後七時二十四分、日の出は午前五時四十五分。沖縄気象台の発表)。夜間は『夜のあいだ、夜』となっている。どうですか」

 「……」

 「協力はしますが情報無しでは協力のしようがない。マイカーを使わず営業員も社内待機させたいが、取引先からすぐに納品し、配達するように連絡を受けたとき、なんと返事しますか。サミットで交通規制があるので何時頃になるとい う返事をしないといけないが、時間も場所も分からないでは、お客さんは納得しない」

 「……。直前に発表されるはずです」

 「直前とは二十日の事か、あるいは、当日か、当日なら何時ごろに時間と場所(規制の道路)を発表するのか」

 「テレビ、ラジオで発表します」

 「一日中、テレビラジオを見ている訳にはいかない。何時ごろに発表するといえば、その時間にテレビやラジオの前に待機するのだが。交通情報センターで答えないのであれば警察本部で聞くが」

 「警察本部へ電話してもこっち(情報センター)へまわされますよ」

 「では、同じ事になるわけだ」

 「そうです」

 「では、聞くが、交通規制とはどういうものか。マイカーをストップさせるのか」

 「そうです」

 「道の沿道を歩くのはいいか」

 「それは構いません」

 「自転車はどうか」

 「自転車は歩道を走ってはいけないので、当然ストップです」

 「オートバイはどうか」

 「オートバイも車道を走るのでダメです」

 「ホテルなどで急病人が出たときは」

 「人命が第一なので救急車はパトカー先導で病院まで行く事になります」

 「消防署に連絡して救急車が来るのを待つことになる」

 「そうです」

 「例えば怪我をしていて出血している。一刻も早く病院に運ばなくてならない。このときには救急車が来るのを待つのではなくマイカーでも運びたい。病院に運ぶのが遅れたために手遅れになった、と言うときはどうするか」

 「やはり救急車でしょうね」

 「それで手遅れになったら誰の責任か。交通規制か、ホテル側か」

 「……」

 「問い合わせや苦情は他にもありますか」

 「たくさんあります」

 「どれくらいあるのですか。その内容は」

 「朝から晩までひっきりなしです。あなたは理屈をいうからいいが、中にはバカやろう、ガチャン。またサミットなど止めてしまえなどと言うのもあります。先月中旬から増えており、一日百件くらいですかね。今日は貴方で八十九件目です(七月七日、午後四時半現在)。いま当方は三名ですが、十二日からは四名増員して夜十時まで(問い合わせの)時間を延長する予定です。交通規制はテロ対策と各国代表団の車列をノンストップで通過させる為ですから予定は発表できないのではないですか」

 「それはわかる。具体的に何時頃という情報を提供してもらわないと協力のしようがない。時間が分かれば車を使わないように協力できる。いつ発表するのか」

 「警察本部でも答えられないと思いますよ」

 「では、サミット推進県民会議へ聞こう」

 「……」

【サミット推進会議】

 (交通情報センターへの同じ質問を繰り返えす)「何時から何時までで、場所はどこか」

 「交通規制は警察に聞いて下さい」

 「答えないのでそちらに情報はないか、聞いている」

 「恐らく警察でも分からないのじゃないですか」

 「どこに聞けば分かるのか」

 「外務省です」

 「では外務省の担当の電話番号は」

 「のちほど調べて知らせます」

【外務省・サミット事務局】

 (情報センターへの質問の繰り返し、いいかげんいやになる) 「交通規制について聞きたい」

 「交通規制については沖縄の警察に聞いて下さい」

 「警察では答えないからそちらに聞いている。情報センターには苦情が殺到して千件を突破している。苦情の中にはサミットをやめてしまえという声もあるという。そういう情報は入っているか。どう思うか」

 「沖縄の(そういう)声は聞いていない。しかしサミットは県民の総意で誘致したのである」(ありがたいと思えといわんばかり)。

 「交通規制については警察に聞いて下さい」

 (こちらもつい詰問調になって)「何時から何時まで、どこでやるか情報が欲しい。仕事に差し支える。なぜ情報を提供しないのかと聞いている」

 「だから、警察に聞いて下さい」

 「交通規制のチラシがあるが、中北部方面は二十日から二十四日まで、南部方面は二十日、二十一、二十三、二十四日とあるが時間も場所も漠然として分からない。特に問題は南部方面の二十二日である。『昼間』『夕方・夜間』としてあるが、何時のことか」

 「……」

 「チラシの造り方にも問題があるが、沖縄では一・五人に車一台という統計もある。車無しでは生活できないのだ。どう思うか、説明してくれ」

 「時間と場所を公表できないのは主としてテロ対策と思う。時間と場所を特定して公表するとテロリストに代表団の車列が通過する時間と場所を教えることにつながり狙われる。その心配があるのではないか。また車列がいつ通過するかも わからない。飛行機の到着時間が発表されないので分からない。たとえ車列が通過しても五分後に次の国の車列がくるかも分からない。十分置きに規制があるかもしれないので時間、場所は特定できないと思います。それに会議が長引いた り、早く終わったりします。食事の時間もあらかじめきめるわけにはいかないはずです。だから『昼間』『夕方、夜間』という表現になったと思います」。

 「ということは終わるまでは二十四時間交通規制と思った方がいいわけだ。そのようにチラシを作る方が分かりやすい」

 「そういうことになりますかね」(自信なさそう)

 外務省の説明でも具体的な事は不明。結局サミットの交通規制の協力方法はマイカーをつかうなという以外よく分からないので、二十四時間規制と思った方がいい。

 逆にいうと時間、場所を公表すると普通はその場所に近寄らない、または行かないので交通麻痺、交通の大渋滞はおこらない。しかし、公表するとテロリストに狙われる。交通量の多い、都市部での警備の難しさを物語る。テロ対策のこ とを考えると首脳会合はもはや大都会ではテロと交通規制の影響が大きくて不可能。比較的影響の少ない地方で開催するほかない事態になったという事のようだ。警察の広報ではいつ、どこで規制にあっても文句をいわず、したがえ(協力) ということにもなっている。

 なお福岡では交通規制はそれほど影響はなかったとテレビは報道している。

 参考まで気象台が全国統一して使っている「気象用語」によると「昼間」「夕方」「夜間」などの時間は次のようなものである。

 【昼】a単独使用はしない。次項の複合語(昼頃)(昼前)(昼過ぎ)として用いる。

b「正午」「日の出から日没(昼間)」の二義があるが、後者の意味では対象時間が長いので用いない。

 天気予報を出す場合、気象台は一日の時間細分をつぎのようにしている。

 【午前中】午前零時から正午まで。

 「午前三時頃まで」は午前零時から午前三時まで。

 「明け方」は午前三時から日の出まで。

 「朝のうち」は日の出から午前九時まで。

 「昼前」は午前九時から正午まで。

 【午後】は正午から二十四時まで。

 「昼過ぎ」は正午から午後三時まで。

 「夕方」は午後三時から日没まで。

 「宵のうち」は日没から二十一時(午後九時)まで。

 「夜遅く」は二十一時から二十四時(午前零時)まで。

 【夜】とは日没から二十四時まで、

 をいっている。

 県警の発表を国民生活に密接な気象庁式でいうなら、「昼間」とは対象時間が長いので使わない。「夕方」は午後三時頃から日没まで、「夜」は日没から二十四時まで。

 この調子で考えると県警が言っているのは「二十四時間」交通規制をするということになる。

 生活と密接につながっている気象について気象庁は国民の立場にたって時間を細分化して統一して使っている。気象用語はたくさんある。詳しく知りたい方は沖縄気象台お天気相談所へ電話で聞くとよい。親切・丁寧に教えてくれる(同じお役人でもこうも違う見本である)。電話〇九八(八三三)四二九〇。


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空港にインターネットブース

■専用線と最新鋭機器使える

 那覇空港国内線ビルにインターネットが使えるインターネットセンターが七月十三日、オープンした。有限会社伊礼企画が運営、NTTコミュニケーションズが支援、(有)勇晋が協力している。

 インターネットセンターは那覇空港国際線ビル三階にあり、ブース内にはコイン式のPC端末三台とヘビーユーザーのためのPC三台を用意。営業時間は七時〜二〇時三〇分(七、八月)。七月二十五日まではオープン記念として利用料無料。初日の利用者数は百八十人となった。

 空港での高度情報通信施設のニーズはビジネスマンを中心に高いものがあり、特に海外の空港では常識となっていた。サミットに間に合わせて同サービスを提供することによって那覇空港ビルの利便性は飛躍的に高まったといえる。

 伊礼企画の伊礼哲夫社長は「最新の機器を揃えて、利用料も十分百円と格安の設定。気軽に利用して欲しい」という。

 NTTコミュニケーションズ沖縄営業所の後藤眞男所長は「大容量専用回線を使って快適な環境を提供している。サポート体制も整っている」と利用を呼びかけている。

 空港の通信設備は長時間のフライトの前後に多忙なビジネスマンのメールのやりとりなどに使われ、サービス提供が待たれていた。


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485万人は難しい、沖銀調査室がレポート

 沖縄銀行調査マーケティング室はレポート「転換期を迎える沖縄観光」をまとめたが、その中で今年の沖縄県の目標観光客数四百八十五万人の達成がかなり難しいとした。

 五月までの実績が三・五%増と増えているが、四百八十五万人達成には六月以降八・二%増以上の伸びが必要で、この伸び率達成が今年後半は難しいと判断している。

 観光客数は六月も目立った伸びが期待できず、七月はサミットの影響などで盛り上がりを欠いたものとなる。八月はキャパシティー一杯となり、それまでのマイナスをカバーするほどの伸びとはならない。

 さらに新運賃の導入でこれまでのような格安パックツアーの設定が難しくなっていることも気になる、としている。

 これらから沖縄観光は転換期にあり、今後サミットで整備されたインフラを活用し、本土の高齢者層、韓国・中国本土の海外客の誘致取組が必要と提言している。


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