第704号(2006年7月15日号)


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自販機オーナーどんどん増える

■運営簡単で、着実に利益生むと県内500台、増加中

 缶ジュースなどの自動販売機はドリンクメーカーが運営するのが一般的だが、個人で自販機を購入・設置して製品も自ら補充する「自販機オーナー」が県内でも増えている。ドリンクメーカーから売上の二〇%前後の手数料を得るのとは異なり、スーパーなどで格安のドリンクを仕入れ、販売することで、従来以上の利益を確保できる。観光施設やホテルなど複数の自販機を設置しているところで 意外な利益が見込まれ、効果を発揮しそうだ。(本紙・渡久地明)

■業務用仕入れ、価格も自由、オリジナルブランドにも道

 自販機はドリンクメーカーが所有し、売上の二〇%を店舗や地主など設置先オーナーに支払うのが一般的だ。設置先は場所と自販機の電力を提供している。売上の二〇%から数千円の電力料金を差し引いたのが設置先の利益となる。

 これを自営する場合、自販機そのものを買い取るか、またはリース料を支払い自販機を設置する。仕入は専門業者を活用しても良いし、業務店やスーパーなどで二十九円〜三十九円といった特売品、五百ミリリットルのペットボトル六十九円などを仕入れて百円で販売するという方法が最も効果的という。一日十本以上売り上げれば、電力料金やリース料を支払っても赤字にならない。

 自販機オーナーの開拓をすすめているのは(有)拓洋エンジニアリング(本社・豊見城市)の幸地正成代表とゆきえさん(写真)。二人でやっているのでどこよりも安い販売価格を提示できると胸を張る。

 幸地代表は大手ドリンクメーカーでシェア拡大に貢献、その後、独立して自販機ビジネスに携わってきた。「県内自販機は現在、約三万台で頭打ち状態が続いている。しかし、自販機オーナーは新しいビジネス。現状で五百〜六百台が稼働中だが、県内では三万台の中から二千〜三千台前後がオーナー自販機に切り替わるだろう」とみている。

 数年前から自販機オーナーが増えだしたが、メリットは運営が比較的簡単で、確実に利益が上がること。自販機オーナーはいまのところ市中の飲食店、アパート経営者など個人が多いという。

 すでに設置しているドリンクメーカーの自販機をオーナー自販機に切り替える場合、毎月の販売数量がすでに分かっているから、売上が予想でき、仕入れの工夫次第で利益が拡大する。

 自販機の価格は約五十五万円。六年リースにして月額九千七百円。自販機は業界で最も信頼されている国産有力メーカー製を使用。商品は好きなものが入れられ、価格設定も自由。観光スポットで県産品だけを取り揃えると人目を引くかも知れない。リゾート地の売店などはカラフルな外国製のトロピカルドリンクなどを販売すると人気が出そうだ。メーカー品でも各社の人気商品を選んで販売することもできる。

 また、一缶二十九円といったスーパーの特売品を大量に仕入れて百円で販売してもよい。五百ミリリットルのペットボトル飲料を百円で販売すると人気を呼ぶことが分かっている。

 観光関連企業で自社ブランドの飲料を開発・販売する際に、自販機を活用すれば開店前や閉店後も強力な収益源となる。自社ドリンクの製造専業メーカーが最低販売ロットをどんどん落としてきており、従来三千ケース(一ケース=ペットボトル二十四本)だったのが、最近では五百ケースでも製造するようになった。観光産業が自社ブランドのペットボトルを製造、販売するメリットは大きく、 自社の営業店舗に加え自販機で二十四時間販売できるのは強みだ。

 拓洋エンジニアリングは自販機の販売価格は県内で最も安くできるといい、長年の自販機ビジネスの経験から商品の卸業者、製造メーカーの紹介など具体的な運営方法まで相談にのる。ドリンク以外にお菓子、たばこなどの自販機、中古自販機も扱っている。拓洋エンジニアリングは、電話〇九八(八五八)八一八二。


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95年の事件を映画化

■在米の日本人女性監督 強いメッセージ込める

 九五年の米兵による沖縄少女暴行事件に材をとった長編映画が制作される。すでに沖縄ロケを終了、現在シカゴでフィルムを回している。年内に編集を完了し、年末から年初にかけてアメリカのインデペンデント映画として世界の映画祭に出品、配給を目指している。強いメッセージ性を持った日本人主役のアメリカ映画となる。

 映画を撮っているのは監督の梶野純子さん(写真左)とエドワード・コジアスキーさん、プロデューサーの梶野夕子さん(写真右)ら。主人公のレイ役に女優のエリカさん。梶野さんらは脚本・監督・プロデューサー、資金調達(十五万ドル)まで担当している。

 物語は「主人公レイの消えることのない痛みに満ちた復讐から、兵士の息子の誘拐、そして彼女の自己回復までを描いたドラマ。自分を救う最後の手段として、復讐を選んだ彼女。レイはその過程で自分に暴行をした一人の兵士の十五歳の息子、黒人少年パリスに出会う。レイがその少年に対してとってしまった思いもよらない行動…。そしてその少年とレイの儀心地ない交流は、彼女の痛みを伝 えることから始まり、二人でその痛みと過去を分かち合う過程を体当たりで経験してゆく。そして、そこに将来の救いを見出す、その瞬間までをリアルに描いたストーリー」(映画企画書)だ。

 沖縄でもシカゴでも作品に興味が寄せられ、応援をしてもらっているという。シカゴ市は映画製作に協力的。米軍関係者は兵士の教育は最も重要であり、映画を前向きに歓迎する姿勢という。

 沖縄側の協力が得られるか不安だった。実際に尻込みする人もいたが、地道に説明を続けると沖縄の実情を世界に知らせるべきだという賛同者が増え、支障なく沖縄ロケが実現した。

 梶野さんは「米軍兵士による沖縄少女暴行というテーマは重く、難しいが、本当に世界的に普遍性のあるテーマです。ストーリーはそれを伝えるために慎重に練ってきた。多くの人が分かってきてくれている」という。

 沖縄ロケは快く受け入れてもらい、海の美しい屋我地島と古宇利島をメインに二週間撮影され、最高の映像が撮れた。

 「本当にあたたかく受け入れてもらった。ロケと宿泊に家を一軒貸してもらい、すばらしいシーンがとれました。車も食事も泡盛も携帯電話も提供していただいた。ボランティアに多くの学生が参加してもらい、イメージ通りの映像が撮れました」という。

 女優のエリカさんは那覇市出身。九五年に「ひめゆりの塔」(神山征二監督)でデビュー。九八年に是枝裕和監督の「ワンダフルライフ」で注目を浴び、TVドラマやCMで活躍している。テーマに共感して好演している。

 シカゴロケ終了後、八月から編集作業に入り、音楽をつける。カンヌ映画祭を始め、トロント、ニューヨーク、ベルリン、L・A・サンダンスなど世界を代表する国際映画祭出品作品。配給元が決まると世界で上映される。

 九五年の少女暴行事件は文字通り日米同盟を揺るがし、現在の米軍再編まで続く一連の沖縄問題のキッカケとなった。ハリウッドでは政治的な内容を持つ映画が注目され、市場が広がっており、沖縄プロジェクトも注目されているという。

 「映画はメッセージを伝えることができます。人を変えられる一歩になると信じます。映画は教育を受けていない人、兵士も見ます。沖縄や沖縄の女性を知ってもらうことが第一歩です。少女暴行事件にインスピレーションを受けましたが、普遍的なテーマを追求するものでストーリーは完全なフィクションです。繊細に美しく撮っています」。どのように仕上がり、影響力を発揮するか、完成・公開が楽しみな映画だ。(A)


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県外で観光人材育成

■旅行業基幹システムのビィー・フリーソフト 産業振興公社が支援採択

 旅行業の予約業務の基幹ソフトの習熟を通じて旅行業・観光業界の人材を育成しようというベンチャービジネスが沖縄県産業振興公社の今年度のベンチャービジネス事業採択モデルとなった。

 提案したのは株式会社ビィー・フリーソフト(本社東京、提案者白井旬氏)で、採択されたモデルは旅行・宿泊業の就業希望者に県内外で就業体験を積ませ、育成する仕組み。

 ビィー・フリーソフトは旅行業の基幹業務システムパッケージを開発しているシステム企業で、同社製ソフトは国内有力旅行業者九十社が採用し、窓口での旅行予約・受付、インターネットでの旅行商品販売に幅広く活用されている。また、百三十の宿泊施設がユーザーネットワークに入っている。

 同社のパッケージソフトを自由自在に使いこなせるようになると、旅行業の仕組みに精通し、旅行社の日常業務が大幅に効率化されることから、採用する旅行社は拡大している。

 一方、沖縄では即戦力となる人材ニーズはあるが、経験者が不足しており、企業が求める人材と求職者のミスマッチが発生している。

 そこでビィー・フリーソフトは沖縄にベンチャー企業を立ち上げ、県内の観光産業従事希望者を採用し、システムを習熟させ、ビィー・フリーソフトグループから同社のシステムを採用している県外の旅行社・ホテルなどに出向・派遣する。派遣先ではシステムの使い方を教え、また、実際の旅行業・ホテル業の仕組みを学んで行く。その後、Uターンで県内企業に再就職も可能になるというもの(図参照)。

 また、ビィー・フリーソフトの沖縄地区ユーザーへの既存業務を段階的に沖縄ベンチャー会社に移管する予定。

 並行して県内大学などと連携して学生の育成、新規製品やサービスの開発も行う体制をつくる。

 初年度は県内の大学・専門学校・職業能力開発大学校・高等学校とのネットワークを構築し、第4四半期から、同社システムユーザーを中心に単月十人単位で県内観光事業社への出向・派遣をスタートする。

 三年目には沖縄県内の旅行会社・宿泊施設を中心に、単月百人規模での出向・派遣を展開する。新卒者以外に、観光産業従事者のキャリアアップも支援する。同社システムユーザー以外の沖縄県内の観光事業社への展開も図る。

 沖縄での展開は同社製ソフトを採用する可能性のある旅行社・ホテルが多い点を挙げている。

 すでに琉球大学との連携がとれており、県外での就職、県外にいて県内企業に就職を希望する学生らの受け入れ、雇用ニーズと就業希望者のマッチング方法などを確立できるとしている。


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