沖縄から一番近い大都市は何と言っても、西の台北。人口約270万人。世界60都市近くと航空路で結ばれており、ある意味でこの所要約1時間弱の台北=沖縄(那覇)間が安くなればなるほど世界が近づいてくる。沖縄からグアム、マニラなどへの航空路線が休止となるなか、この台北線はほぼ毎日3便飛んでいるのだ。また沖縄にとって台湾はごく近い隣人、良く知るべきだろう。沖縄発着「東アジア」全般に言えることだが、このエリアは基本的に格安航空券を売る旅行会社任せにしてもあまり意味はない。何しろノーマル(正規運賃)のチケットそのものか、それと大差ない価格で売るため、直接航空会社で購入するなど文字通りの“手作り”がお薦めである。
沖縄=台北(Y・エコノミークラス)はノーマル(Y2・制限付き)で片道2万700円、往復3万7200円。那覇=南大東より安いのだが、那覇市・牧志のマチグヮーへやって来る台湾商人などは「非常に納得いかない」価格である。国際航空運賃には物価に応じた方向別格差があるため、台湾では台北=沖縄(Y)片道ノーマル3544台湾元(約1万4900円)、往復はその倍で、3万円を切る。石垣=沖縄(通常期普通運賃)の方が若干高いくらいだ。
つまり台湾へはビザなし入国(到着翌日から14日以内の滞在・旅券の残存有効期間6カ月以上)するため、日本航空系列の日本アジア航空か、チャイナエアライン(中華航空)のオフィスで台北までの予約済み往復航空券をとりあえず買い、無事入国してから帰路は払い戻し(沖縄でも可能)。帰りは沖縄出発時に行ったフライトの予約をそのまま生かし、新たに台北の中正国際空港など現地で買えば少しだが安くなる。台北を自由旅行のハブ(拠点)にするならこれを機会に台北=沖縄=台北と買っておくのが是非ともお薦め。通常より5000円以上安い、沖縄=台北片道1万5000円体制が実現する。なおフライトの予約ではあらかじめ航空会社で帰路の予約状況などが書かれたプリントを入手、それを持って出掛けるのが良い。
台湾は第3国への予約済み出国チケットの提示でもビザなし入国が可能だが、ビザを用意していくなら那覇市の中琉文化経済協会駐琉球代表弁事処(098[862]7008)で所要2日。4000円(シングルビザ)と、写真2枚要。石垣市の八重山華僑分会(09808[2]2209)でも取得できるが、4、5日かかり、費用は6000円に。複数入国可能なマルチビザもある。
なお国際航空運賃は正規(ノーマル)の普通運賃と正規の特別運賃があり、さらに旅行会社がそれらを崩して売る格安の運賃、いわゆる格安航空券が存在する。このうち正規の普通運賃、つまり純粋なノーマルチケットは最初の搭乗日から1年有効で、オープン(搭乗日未定)や航空会社の自由な選択が可能。日程変更や航空会社の変更、払い戻し、許容範囲内のストップオーバー(途中降機)なども原則無料でできる。ルートも最大許容マイル内なら基本的に設定自由。
次いでと言っては何だが、台湾で買う例えば台北=東京(Y)の片道ノーマルは9838元(約4万1300円)。往復は倍額。この価格に若干の消費税を加えただけで沖縄や大阪などにストップオーバーできる。つまり台北=沖縄=東京が片道10077元(約4万2300円)。国内線の沖縄=東京(通常期普通運賃)が3万4400円なので、差し引き8000円以下で台北=沖縄が結ばれることになる。
しかも沖縄=東京は国際連帯航空券のため国際線同様、11カ月前から予約ができ、日程の変更、払い戻し、さらには沖縄出発前であれば最初の行き先を東京から名古屋へ変えたり、帰路東京からさらに大阪に途中立ち寄ったりするなどルート変更も一般の国内線チケットとは異なり、みな無料でOK、ビジネスにも便利だ。行きは東京、中間はJRなど、帰りは名古屋からという、いわゆるオープンジョーのスタイルも可能。
台北からの日本行き直行運賃の指定地は台北線がある東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄と、それに鹿児島などに限られるため、例えば台北=沖縄=福岡(片道7255元[約3万500円])は良いが、台北=沖縄=広島では台北=沖縄プラス日本国内で買う沖縄=広島の運賃、計9978元(4万1900円)となり、あまり意味はないので注意。また台北から鹿児島行きは福岡行きとほぼ同額のため、どうせなら鹿児島=福岡の旅程も付けてしまおう。沖縄を中間点として台湾や日本本土を行き来するこのやり方、いわば現代の琉球王国の“中継貿易”といえそうである。
沖縄から台湾へは何も航空旅行だけではない。極東を旅するバックパッカーにに昔から有名な船旅もある。しかも今日では至極快適。有村産業(098[869]1320)がこのほど台湾、先島航路に最新のクルーズフェリー2隻を投入。那覇=宮古=石垣=台湾(基隆、高雄)ルートを数日ごとに快足で結んでおり、台北近郊の基隆まで那覇からは1泊、石垣からはわずか7時間(帰路は1泊)。だが残念なのは運賃が割高ということ。基隆まで那覇からツーリストクラス1万5600円(学割1万2480円)というのは沖縄発航空運賃を一応下回り、最初の台湾入りにも使えそう。
八重山(石垣)住民には国際線就航が遅れている今日、世界への貴重な足なのだが、石垣からは短距離なのに1万2500円(学割1万円)と極端に高い。しかしこれも台湾で買えば、基隆=石垣が70USドル(約8100円)、那覇87USドル(約1万円)相当で、学割は日本同様さらに2割引。八重山在住の旅好きなどはいつでも安く台北へ行けるよう現地で石垣まで往復買っておくのがお薦めだ。
なお最初はビザなし入国のために200円の取り消し料覚悟でとりあえず往復(14日以内復路1割引)買って出発しよう。取り消しは帰路の出港前に現地オフィスへのすみやかな連絡が必要。台北から千葉県(成田)へ行くなら台北市内の旅行会社で購入する往復4万円前後の格安チケット(シンガポール航空[1年オープン]など)が便利。ちなみに石垣=羽田往復は通常期普通運賃の場合で、何と8万9120円。数日前でも買える旅行社のいわゆる格安券も那覇乗り継ぎで往復7万円ぐらいするようだ。
将来、台北=石垣線が就航すれば、航空会社にもよるが例えば台湾で買う台北=石垣=沖縄は台北=沖縄の直行運賃が使える見通しで、石垣=沖縄の旅をすれば台北=石垣は実質ほぼ無料で飛べそうだ。なお沖縄=台湾航路でマレーシアのスタークルーズ社が1997年3月から那覇を母港に超豪華客船「スーパースター・カプリコーン」(2万8000トン)による定期的なクルージング事業をスタート、東シナ海が「アジアのカリブ海」になる日も案外近いかもしれない。
1997年6月30日で英国領香港はおしまい。翌7月1日から一応、中国だが、香港は香港という状態が当面、続きそうだ。このところ香港旅行はブームとなっており、宿泊費の異常な高騰を考えれば、フリーツアーに参加するのも良いかもしれない。だがやはり「深夜特急」(沢木耕太郎)ではないが、安宿(割 高だが安全なサリスバリーのYMCAドミトリーなどがお薦め)に滞在、香港の本質や世界中の旅人に触れ会える自由旅行の醍醐味は捨て難いだろう。
香港までのチケットは沖縄県内の旅行会社間でさほど違いはないが、エイチ・アイ・エス(HIS)かねひでトラベル(098[868]1133)では往復6万3000円(チャイナエアライン)。最大30日のフィックス(日程固定)だが、台北ストップオーバーはOK。同社は格安航空券販売で全国的に名高いHISが96年夏、沖縄に上陸。沖縄旅行業界の活性化に貢献、あるいはその在り方に一石を投じているように思えてならない。
沖縄、いや全国各地でチャイナエアライン総販売代理店を務める「富士ツーリスト」(098[862]3333)はやはり同航空で6万3000円。1カ月有効。同社で買うチャイナエアラインのチケットは総代理店だけに、フィックス(日程固定)でなく日程変更ができる、つまり〇日有効というスタイルで、割とノーマルの条件に近いのが特徴だ。台北ストップオーバー可。沖縄旅行業界の主役で、沖縄発着航空船舶の無料時刻表が自由旅行者に大変好評な「沖縄ツーリスト」(本店・098[862]1111)でも同一価格。ただし1カ月フィックス。リウボウ旅行サービス(本社・098[861]3404)ではアシアナ航空で6万2000円(45日フィックス)。ソウルストップオーバー可。
台北経由でない週2便の日本航空直行便(福岡=沖縄=香港線)になると便利だが割高で、大概、日航のノーマルチケットを買う羽目になろう。ただノーマルと言っても純粋で高額な正規普通運賃でない正規特別運賃の方。ゾーンペックスに分類される「JAL悟空」(7万3000円)で、21日フィックス。予約変更が不可能など一般の格安航空券同様、厳しい制約が付く。素直に沖縄でチケットを買うと香港行きは全般に東京発などの方が安く、沖縄から「東アジア」は遠い現状が浮かび上がってくる。
もし台北まで安く行く体制をつくっている旅行者なら、台北=香港を買えば良い。ノーマルならこの場合割安な第3国間なので、片道でも例外的に台北でなく沖縄であらかじめ現地で買うのとさほど変わらない価格でのチケット購入が可能。片道(Y)で2万7200円、往復4万4700円。なおビジネスクラス(C)でも一般にノーマルの場合、正規の(Y)と大差ない。もちろん台北の旅行社などでいわゆる格安チケット(往復3万円程度)を買うのも良い。台北から香港へは1日30便以上もある。
中間の台北発は沖縄発に比べ割安だから、例えば緊急で単純に那覇空港で沖縄から台北ストップオーバー、香港までの片道ノーマルチケットを買う場合、沖縄=台北=香港とまとめず、沖縄=台北、台北=香港と2冊に分けて買うだけで、6000円近く安くなる。航空券は発券係に発券方法を変えるよう頼むだけでコストダウンできるパターンがしばしばあるのだ。
香港へ行ったら免税品を買う旅行者が多いが、航空券を買ってくるのもいいだろう。全世界への格安航空券はもとより、とくにその格安航空券がない沖縄関連のノーマルチケットも台湾同様、いやそれより安い水準で買える。香港=沖縄は片道(Y)2070香港ドル(約3万1000円)で沖縄発より4割安い。往復は3940香港ドル(約5万9100円)。さらにノーマルで日本国内区間を含んだ香港=沖縄(ストップオーバー)=東京は片道3658香港ドル(約5万4900円)、香港=沖縄=大阪3616香港ドル(約5万4200円)、香港=沖縄=鹿児島2760香港ドル(約4万1400円)。このほか、沖縄関連の“中継貿易”タイプでは札幌、仙台、名古屋、広島、福岡といった都市が香港発日本行き直行運賃の指定地のためお買い得。大阪行きなどは少額足せば結局東京へ行けるのだから最初から東京まで買った方が良いかも。なお途中数多くストップオーバーしたりすると直行運賃自体が若干アップするだろう。
香港に続いて1999年12月にポルトガルから中国へ返還予定のマカオへは香港から高速艇で1時間余り。台北=マカオ片道ノーマル(Y)5239元(約2万2000円)、高雄=マカオ4447元(約1万8700円)を利用、オープン間もない、ポルトガル語がやたら目立つマカオ国際空港に降り立つのも一考だ。かつては沖縄から船で乗り継げた高雄=マカオ航路の復活を祈りたい。香港(1カ月以内)、マカオ(20日以内)は通常ビザ不要。なお那覇市のアシアナ航空オフィスではソウル経由になるが、マカオ(香港、マニラも同額)へ往復7万円(45日有効、つまり変更可)の格安チケットを直接入手できる。